神経痛と関節痛の違いを教えて

臨床上では、ほとんど両者の区別をされていないのが実際のところです。同じ病態のことを、神経痛と呼ぶ人もいますし、関節痛と呼ぶ人もいます。皆さん一般人の立場でも両者は混同されていますし、治療家やお医者さんの間でも見解はそれぞれ異なります。臨床の患者さんを見たときに明確に区分をされていないです。

典型的な違い

両者の典型的な違いを述べると、「変形性膝関節症」があげられます。変形性膝関節症の患者さんでは膝の周りがプックリと腫れあがっています。

病理学的には、膝に備わる軟骨が削れて炎症を起こしています。関節に水が溜まってしまいプックリと見た目で分かるぐらいに膨らみます。関節痛は、関節軟骨が削れて、削れた破片が異物として認識され、免疫反応や化学反応を経て痛みを起こします。

膝で関節痛が起こった場合は典型的で分かりやすいです。膝は大きな関節で単純な作りです。膝や股関節はシンプルな作りなので手術で人工部品に交換できます

ところが、腰で関節痛が起こった場合は、膝よりも構造が複雑なため、ハッキリと変形性関節症による痛みだと判断するのが難しいです。腰の場合は手術で人工部品に交換できません。

関節痛に対して神経痛はどういったものなのか?主には神経の異常興奮による痛みがあげられます。下図は神経痛の図です。

神経は脳が司令塔です。脳から脊髄が伸びており、脊髄から末梢神経の枝が伸びています。神経は下図のように神経細胞があって、そこから軸索というコードが出ています。このコードの先が手足の筋肉などに伸びて、命令を送り届けます。

神経の細胞の活動が悪くなると、働きを補うために神経細胞が異常興奮を起こします。するとジンジンと痛みが起こります。皆さんが痛みが起こったときに、短時間ジンジンして、しばらくするとスッと痛みが止むのは多くの場合が神経系の異常興奮による痛みです。

両者は臨床上、明確に区分されていません。診断するお医者さんも、適当に命名しています。例えば関節の変形がレントゲンで観察されれば、変形性関節症として診断を受けます。


「これは関節痛です」
と言われます。お医者さんによっては、いまでも背骨の変形したトゲが腰痛の原因だと信じている先生もいます。仮に画像検査で変形が見つからなければ「神経痛」だと診断を受けます

両者は同じ病態である

病理学的には、神経痛と関節痛は異なる病気として扱われています。しかし、私はそもそもは同じ病態であると考えています。

多くの場合が

初期に神経痛が現れます。労働をしたときに軽い神経痛が現れたり、冬場に関節が痛くなったりします。初期には関節に変形は起こっていません。

次第に進行すると、だんだん関節が変形をします。

この時期になると、変形性関節症や、関節痛だと診断を受けます。関節に変形が生じ、水が溜まって腫れあがります。しかし、両社は異なる病気ではありません。神経痛を放置し、動かずに過ごすと、次第に関節の骨が弱くなります。関節軟骨も弱ってきます。
動けている最初の頃は骨が元気です。

ところが神経痛を起こして痛みのために動けなくなります。動かないで過ごすと、骨が次第に弱まってきます。骨は重力に逆らって動くことで発達します。また、動かないと血流も停滞します。次第に骨が弱ってきます。

弱体化した骨は、体重を支えられず、次第につぶれてきます。こうして骨がつぶれて変形し、変形性関節症が起こります。変形性関節症が起こると、関節にデコボコが生じます。これによって部分的に軟骨が削れて関節痛が後に起こります。

したがって、簡単に言えば関節痛と神経痛の違いはレントゲンの変形があるかどうかだけです。どちらにせよ、進行すると関節痛を引き起こすようになり、同じ病態が待っています。神経痛を起こした方も、関節痛を起こした方も、治療をしっかりと受けて初期のうちに動ける状態を保ってください。骨の弱体化を起こさないようにすることで病気の進行を食い止められます。また当院を利用される多くの方が病気の悪化を防止して手術をせずに済んでいます。どうかご安心ください。