重たいものを持てない病気とは?

結論:重たいものを持てない病気は確かにある。しかし、進行の「度合い」に着目する

重たいものを持てなくなる病気は確かにあります。例えば「進行性筋ジストロフィー」という病気があります。
筋肉が落ちる病気の人
この病気に掛かると、年々筋肉が衰えて行きます。本人がどうやって過ごしても筋肉が衰えて行きます。若い20代のうちに呼吸も出来ないほど筋肉が衰えて死んでしまう症例もあります。

例えば、「糖尿病」をお持ちの方も、ちょっとした重たい荷物の運搬が続くと体が疲れ果ててしまったり、足が棒になってしまいます。とても重たい荷物を運搬する仕事を続けられません。体力が衰えて力仕事が出来ません
老化によって体力がおちた人

腰痛持ちの方では、「腰椎椎間板ヘルニア」という病気や「坐骨神経痛」を患う方もいます。これらの病気も足腰の痛みが強くなります。そのために重たい荷物を持てません。

また、それ以外にも性別として、女性に生まれれば男性ほど重たいものは持てません。
女性は力がない

高齢者になれば若者よりも力が弱くなります。
高齢者腰痛

進行の度合い

もしも、皆さんが「重たいものを持てない病気」を疑ったとします。
悩む女性
このときにはその病気で最も着目していただくことがあります。それは進行の度合いです。進行の度合いからそれが病気なのか?病気でないかの参考となります。

一般的に人の体力は25歳にピークを迎え、その後は年間1%づつ力が衰えていくとされます。つまり、以下のようになります。

◆体力の衰えの進行度合い

  • 25歳=0%
  • 30歳=5%減退
  • 40歳=15%減退
  • 50歳=25%減退、
  • 60歳=35%減退
  • 70歳=45%減退
  • 80歳=55%減退
  • 90歳=65%減退
  • 100歳=75%減退

上記のデータは一般に言われる説を単純計算したものです。実際にはこの通りにはなりません。多くの方の体力の推移をみると、ほとんどの方はおおむね70歳までは元気に過ごしています。ところが体力が50%を下回る80代から生死を分ける状況が起こります。簡単な病気や怪我でも体力がないために死んでしまうのです。
寝たきりの人
グラフにすると一般的な多くの健康な方では以下のような推移を示します。
一般的な体力の水位は25歳がピークで後に徐々に落ちる
横軸が年齢、縦軸が体力です。出生から体力が伸びていきます。概ね25歳をピークにその後は下降線をたどります。最終的には呼吸をする体力も失われて、やがて死に至ります。健康な方でもいつかは体力が衰えていきます。体力の衰えは「進行性」です。

もし仮に、皆さんが「重たい荷物を持てない病気」になったとします。その場合は、体力の推移は以下の青線ようになるでしょう。
病人の水位は年間1%を上回る体力の減退がある
25歳のピークを境に急激に下降
します。進行性筋ジストロフィーなどの筋肉の衰える病気だと、おそらくは多くがこういった経過をたどります。

もしくは筋肉が発達しない病気になってしまうと、次の緑線のようになります。
出生後に筋肉の発達が起こらない人
緑のグラフでは出生から、体力が全く伸びていません。赤ちゃんの頃から筋力が発達せず、
「首も座りません」、
首の座る赤ちゃん
「ハイハイ」もできません。
ハイハイ
つまり、皆さんが重たいものが持てない病気だと思われるなら、首もすわりませんし、ハイハイになって動くこともできないはずです。筋肉の発達が、何歳になっても得られません。

ところが、立って歩いて、料理を作れるのに、重たい荷物だけ持てないのは、病気ではない可能性もあります。

多くの「重たいものが持てない病気」を自覚する患者さんは以下のオレンジ線の推移を示すはずです。

重たいものが持てないと自覚する人の多くの体力推移
オレンジのグラフでは、体力が25歳まで一定の上昇をします。ところが、低いところで止まっています。その後少しずつ衰えが進んでいきます。つまり、重たいものは持てないけど、ご飯のお膳を運んだり、毎日お買い物に出かけたり、
買い物
キッチンに立って料理をしたり、一定の体力は保たれています。一定の体力は常に保たれており、急激な進行がありません

こういった一定の体力水準にとどまり、急激に衰えが進行しないなら、それは病気でない可能性が高いです。

いま、病気や難病で苦しんでいる方であっても、一定の体力水準で留まっていられるなら、それは筋肉を使っていないだけの可能性があります。

現状が保たれているなら

体力は、本来なら年々下降線をたどります。体力づくりを熱心に行っても、衰えは必ず起こります。しかし、体を動かしていると、老化の進行を遅らせてくれます。
運動をする人

重たいものを持てない病気の方であっても、一定の体力が保たれているのは、生活上で少なからず体を動かしているからです。立ったり歩いたり、家事をこなすことが筋力訓練となっているから体力が保たれています。そのため、自分は重たいものが持てない病気だとお思いになられていたとしても、グラフがオレンジの推移となればそれは病気ではない可能性があります。筋力が一定の値で保たれているなら訓練次第で治ることもあるでしょう。

少なからず年間1%減退の範囲の体力の衰えは病気の範疇ではありません。それは訓練次第で治る病気のことがあります。