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相反性運動神経支配とぎっくり腰

結論:拮抗筋をストレッチすると動作が楽になる。

ぎっくり腰や慢性腰痛患者の多くは体の主動筋や拮抗筋が総じて固くなってしまっていることが多く、主動筋を動かす腰を屈める動作をしたときに拮抗筋の抵抗性が強く、主動筋の動作を妨げたり、筋力を減らして疲労を溜め易くします。拮抗筋のストレッチを実施して筋肉を柔らかくすると主動筋の筋力が一時的に向上して主動筋が疲れにくくなり腰痛やぎっくり腰のリスクを減らすことができる。女性や高齢者でも長くつづくのがストレッチでもある。

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体は様々な筋肉や神経によって動きがコントロールされております。そして、それらは一々脳から命令を下して運動を行うことができぬぐらい複雑なシステムによって管理されており、歩いたり、動き回ったりするほとんどの日常動作は特に意識しなくても無意識でこなせるぐらい高度に私達の体にはプログラムされているのです。よく酔っ払って気がついたら自宅の布団で寝ていたなどということがありますが、記憶がない中でも勝手に動き回って行動することが私達はできるのです。こういった運動を可能にするシステムの一つが相反性運動神経支配となります。

相反性運動神経支配の例が主動筋と拮抗筋の関係

ではこの仕組みとは具体的にはどのようなものなのかと申し上げますと主動筋と拮抗筋の関係を思い浮かべていただけると分かり安いと思います。腰痛やぎっくり腰を患ったことのある患者様ならば良く、『腰痛防止には腹筋を鍛えると良い』とか『背筋を鍛えることが良い』などと聞くと思いますが、腹筋と背筋のような表裏関係のことを主動筋と拮抗筋の関係と呼ぶことができます。

主動筋が緊張すると拮抗筋は緩む

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たとえばこの両者の関係を述べさせていただきますと、ぎっくり腰は腰部の動きと密接な関係がありますが、腰の動作は大きくわけると『屈む』、『反らす』、『捻る』が挙げられます。この屈む動作と反らす動作はまさに拮抗関係によって成り立っております。たとえば背中の背筋を主動筋としたときには背筋が働けば腰を反らすことができます。腹筋が働けば屈めることが可能になります。では両者が働くとどうなるのかと申しますと、胴体が鉛直のまま固定されます。歩いているときなど胴体が一直線に保たれるのはこの両者の働きが成す共同作業であり、背骨を前後から挟み込んで真っ直ぐに固定してくれるから鉛直に保たれるわけです。

腰を屈めるときには腹筋が緊張しますが、このときには拮抗筋である背筋はどうなっているのかと申しますと必ず緩んでおります。表裏関係にある動作があるときには必ず主動筋が収縮すれば拮抗筋は緩んでおります。もし緩まずにいればその動作をとることができません。背骨は鉛直のまま微動だにしないことでしょう。つまり、私達が日常の何気ない動作で腰を動かすことができるのはすべてこの相反性運動神経支配による主動筋と拮抗筋のスムーズな神経応答が成り立っているから成されることなのです。

両者が常に固く緊張してしまうことがある。

たとえば、頻繁にぎっくり腰や腰痛を患ってしまう方では日常的に運動不足を実感されている方は多く、この主動筋と拮抗筋の両者が常に固く緊張しており、自分でも体が固いことが分かっていることが多いです。相反性運動神経支配が働かなくなっており、主動筋が緊張すると拮抗筋が固いため主動筋の働きを妨げてブレーキをかけてしまうわけです。こうなってしまいますと、スムーズに動こうとしても動きがギクシャクしてノロノロとした動きになってしまいます。また、拮抗筋が常に主動筋の働きを妨げており、常にブレーキをかけたような状態のまま日常を過ごしておりますのでエネルギーの消耗が普通以上に激しいです。燃費効率がとても悪いと言えます。それはそのはずですよね。坂道を登るように常に逆方向に体が押し返されているような状況下で筋力を発揮しておりますからとても疲れやすいわけです。こういった日常動作の積み重ねが慢性疲労を生み出してしまい、腰に疲労が蓄積されてしまいぎっくり腰を患ってしまうわけです。

筋力を高めるためのトレーニングばかりでなく緩めるためのストレッチも必要

ではどうしたら、こういった相反する筋肉の抵抗性を少なくして、スムーズで快適な動きを手に入れられるのでしょうか?ここで大切になるのが、主動筋を鍛えてトレーニングすることではなく、拮抗筋を緩めることなのです。つい腰痛やぎっくり腰の防止と申しますと、スクワットをしたり、腹筋や背筋運動をすることばかりを思い浮かべるものですが、主動筋の筋力を高める方法とは決してそういった単純な筋力トレーニングだけをすれば良いというものではありません。それに筋力を鍛錬する場合はある程度長期的に取り組んで数年がかりで筋力を鍛え上げる必要があります。今現在すでに腰が痛い方が、腰痛を克服するには少々時間が掛かりすぎてしまいますよね。ですから主動筋の筋力を高めるためにその筋肉の抑制となりうる拮抗筋の緊張を緩めるためのストレッチを日常的におこなっていただくのです。

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拮抗筋が緩めば主動筋の筋力は飛躍的に向上する。

こういった拮抗筋の緊張を緩めるためのストレッチングは決して馬鹿にならないものです。ストレッチによってほんの1分ぐらい拮抗筋の筋肉をストレッチすることができれば主動筋の筋力は一時的ではありますが、飛躍的に向上します。これならばもともと体力の衰弱しているご高齢者の方や運動の苦手なご婦人の方でも気軽に取り組めることでしょう。

ストレッチは筋トレと比較して長続きし易い。

また、筋トレといいますと、激しいトレーニングによって体力がヘトヘトになるまで体を酷使するイメージがあり、多くの方が倦厭しやすいです。ところがストレッチの場合は多少面倒くさいですが、すぐに疲労回復が実感でき、なおかつそれほど疲労を伴わずできますので、運動が苦手な方でも長続きし易いのがメリットであると言えます。筋力がついて代謝が向上したり、疲れにくくなったりするわけではありませんが、拮抗筋の抵抗を軽減することで主動筋の筋力が高まりますので腰痛の予防には短期的に役には立つことは間違いありません。実際に運動不足などをお持ちになられている方が運動を始めてみますと、最初はほとんど体を動かせぬほど力が弱かったのが数ヶ月ぐらいで見違えるほど元気になってしまうことがありますが、こういった初期の変化のほとんどは筋力によるものではなく、拮抗筋の相反性神経支配による抑制効果であり、抑制が除去されたことで短期的に筋力が向上したものなのです。短期間で腰痛になりにくい体を目指したいということであればしっかりと専門家の指導を受けてストレッチをしていただくことをオススメしたいですね。

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