ぎっくり腰を繰り返す人に見られる腰椎反動

結論:腰を曲げる場面では先に反らしている

明治時代の大砲は、発射の反動によって、砲台が後方に吹き飛びました。
明治の大砲
砲射手は突進してくる砲台に気を付けないと、ひかれて死んでしまう危険があったのです。反動とは、一つの方向に力を働かせるときに、対抗する力として反対方向に働く力のことです。

こんにちは、ユークル整体院です。今日は腰椎反動についてお話していきます。

反動では、前に進むなら、必ず後方に力を働かせます。前後の対抗する力によって、より強い力を前方に集約することができるのです。

ぎっくり腰を何度も繰り返す患者では、この反動によって腰を傷めつけていることがたびたびあります。

腹筋運動では、腰を反らす

身近な例を挙げると腹筋運動でも反動を使っています。腹筋運動では、胴体を床に横たえた状態から起こします。
腹筋運動

この動作を細かく分析すると、必ず胴体を持ち上げる前に腰を反らしています
腹筋運動開始前の腰の反り
腹筋動作直前に腰を反らす図、

このように人は、動こうとするときに目的の方向と逆方向に力を働かせています。腹筋の衰えた人になると、両手を万歳して腕の力を使って腰の反りを強く働かせる人もいます。反動を使うほど、腹筋の働きを手助けできます。

ところが、反動を使って逆方向に力を働かせるほど、腰椎の関節をしならせます。これによってぎっくり腰が生じてしまうのです。

椅子から立ち上がる場面では

腹筋の例え話だとよく分からないと思いますので、もう一つ例を挙げます。

ぎっくり腰の患者さんでは発生のきっかけとしてたびたび見られる「椅子からの立ち上がり」場面の腰の痛みについてです。

椅子から立ち上がる場面では膝に体重移動をします。
膝への体重移動

尻に体重が残っていると、いくら頑張っても立てません。
尻に体重が乗った状態

そのため、立ち上がる場面では、必ず「おじぎ」をします。お辞儀によって膝に体重を移動させます。

このお辞儀の場面で、腰を先に反らしているのです。
腰を反らしてからお辞儀をしようとする人
それは、時間にすると、1秒未満です。ほんの一瞬腰を反らします。へそを突き出して腹を前に押し出すようにし、その後に突き出したお腹を引き込みながら腰を曲げる動作が開始されます。

つまり、腰椎を一旦前方に動かして、その後に後方に動かしながら腰を曲げます。この前後の動作の切り返しのときに腰椎に巨大な力が作用し、ぎっくり腰が生じます。

しかし、一瞬の動作なので、誰にも分かりません。ぎっくり腰の患者さんのエピソードでは「椅子から立ち上がるとき痛くなった」としか、表現できずにいます。そもそも、患者さんにとっては、起こってしまった出来事にはすでに興味はなく、痛くなった腰にしか関心はないのです。本当はこの反動の加わる場面にこそ着目しないと再発を防止できないわけです。

反動が無ければ絶対に痛めない

おそらくはぎっくり腰が生じる場面では、その前に反動が生じています。理論上は、動く場面で反動の発生を抑えれば、腰は痛くなりません。動作前に、一旦腰を反らす予備動作を制止してください。この予備動作をなくせば、どれほど早い動作をしても腰を痛めることはありません。

例えば寝ている状態から起きあがる場面では、ベッドサイドにロープを結んでおいてそれを両手で手繰り寄せます。
紐を使って起き上がりを補助する

不足した力を反動を使わずに手の力で補えば、反動を使わずに安全に起き上がれます。

ただし、手の力に依存しすぎると、今度は肩を痛めるので、全身を鍛えておくことが腰痛対策では求められます。全身の力を使えば、腕や腰を傷めずに済むはずです。

伸張反射

ちなみに、反動を使うとどうして腰を痛めるのか?それは通常以上に大きな力が働くからです。しかし、それだけではあません。人の体には「伸張反射」というものが備わっています。筋肉は急に引っ張られたり、力が加わったりすると、「引っ張り返す特性」があります。このことを伸張反射と呼びます。

伸張反射はたびたび自動車のシートベルトに例えられます。
シートベルト

シートベルトはゆっくり伸ばすとどこまでも伸びます。

しかし、急にガッと引っ張るとロックが掛かります。
シートベルトは急にひっぱられるとロックする
腰の筋肉も急に引っ張られるとロックが働きます。反動を使って力を補うほど、腰の筋肉が反発して急ブレーキを働かせ、腰を痛めてしまうわけです。ぎっくり腰を防止するためには、動作そのものではなく動作前の反動に気を付けることが大切なんですね。

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ぎっくり腰では、骨がずれることはありません。安心ください。

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