ぎっくり腰と叩打痛の関係

腰が痛くて叩きたい

腰痛やぎっくり腰患者が多く取る腰をポンポンと叩く動作、治療でも叩くことはたびたび行われ打診検査として患部の部位、深さなどを知ることが出来る。炎症が起こっていると感受性が敏感になって響く痛みを感じることがある。叩打痛は介達力を利用しており骨に力が伝わる仕組みで痛みの刺激を届けるため腰椎椎間板症のように骨同士の接触部位が増加するほど介達力が分散して叩打痛の反応が少なくなる。腰椎椎間板症の否定すべき根拠とも成りうる。軽くポンポン叩いて痛みが緩和されるのは主にゲートコントロールと言って脳の2つ以上同時に感覚を認識できない仕組みを応用した誤魔化しの鎮痛なので痛みを慢性化させないように注意が必要である。

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多くの腰痛患者がとる無意識に叩く動作

腰を叩く図「ふぅ~腰が辛いつらい・・」

一息ついたときについつい無意識に腰を
「ポンポン」
と叩いている方は慢性的な腰痛をお持ちになられている方やこれまで何度もぎっくり腰を患っている方には多いはずです。今日は叩くことについてお話しましょう。叩くことは普通に考えると体に対して暴力を振るっているように思えますので痛みは余計に悪化するようにも捉えられてしまう方もいらっしゃるはずです。しかし、実際に多くの方は叩くことで痛みが緩和されていることです。痛くなるたびに無意識にそれを行うことで楽になったと仰られる方もおられるはずです。

叩くことで痛みを誘発させることを叩打痛と呼ぶ

ちなみに医学的にはこのようにして患部の箇所を叩いて痛みを誘発させることを叩打痛と呼びます。多くの方はそうですが、こういったときの腰の辛さはグキッと腰を痛めてしまったのとは異なり腰が詰まったような違和感を感じているはずです。こういった違和感を緩和させるために叩いてわざと弱い痛みを生じさせて痛みを紛らわすことを叩打痛と呼ぶのです。

叩打痛は検査などにも用いられる。

一般的にはこういった叩打痛は打診と呼ばれて腰痛の原因がなんなのか?どこから痛みが誘発しているのかを判別するために用いられることもあります。

打診検査叩打痛のイメージ、打診によって背骨の痛みの有る部分を重ねた手で力を伝達させるように間接的に叩くと過剰な痛みを誘発することがある。

例えば肋骨が折れている方も腰の痛みを訴えることがありますので肋骨壁を軽く手の平で叩いて痛みを誘発させることで過剰な痛みがあれば折れている可能性を疑ってレントゲンを撮影したりすることもあります。また、腰椎の棘突起といわれる背中に突き出したゴツゴツの部分を打診して叩打痛を背骨に与えることで仮に腰椎が骨折していたりと高齢者に見られるような腰椎の圧迫骨折をしているケースになりますと極度な痛みを訴えることもあります。

筋肉が炎症を起こしていたり、痛みの化学成分によって痛覚過敏になっていると痛みに過剰に反応する。

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また肉体労働で筋肉を酷使することで筋肉に炎症が起こりますと、痛みの化学成分によって患部の痛覚が過敏になります。痛覚過敏になりますと痛みに過剰に反応することが一般的です。そのようなときであれば患部に対して叩打痛を与えますとジンワリと響くような感覚が得られることがあり、その部分が悪くなっていることが分かります。

痛みとは他人に見えるものではありません。あくまでも主観的なものなので人によって解釈の度合いは大きくことなります。しかし、このように他の部位と比較して明らかに痛覚過敏になっている部分を叩打して比べることができますので痛みの局在を明らかにすることができるわけです。

叩打痛は介達力を利用している

しかし、この叩打痛とは一つだけ注意するべきものがあり、それは介達力というものを利用しているということです。介達力は音叉を叩いたときのように叩いた打撃が当たった部分ではなくその周囲に伝播していって伝わる力のことです。例えば真綿に包んだものを叩いても表面で力が拡散されてしまいますので力の伝播は起こりません。柔らかすぎるゴムのような組織に力を与えても伝播は起こりません。また、伝播させる構造体が途中でいくつもの構造体に連結しており力が分散されてしまうと目的とする場所に力を十分に伝播させることができずに叩打痛の発生が起こらないことがあります。

腰椎椎間板症の場合は叩打痛が発生しない

一般的には背骨の構造体の一つである椎間板が老化と長年の経年劣化によって変性する腰椎椎間板症では背骨の骨格の配列が大きく変化します。

腰椎の側面図参考までに腰部の骨格の名称をご覧になってください。

通常の腰椎の前方凸の配列腰椎を側面から見ている図。向かって左が前、右が後ろです。腰椎の配列は本来ならば図のように前方凸の配列をしております。

ところが高齢者や肉体労働で腰部を酷使しますと次第に腰部の椎間板が潰れてきます。すると下図のように腰椎が逆彎曲になってしまのです。

腰部椎間板症の後方凸の腰椎の配列腰部椎間板症の患者の図、椎間板が潰れて扁平になり腰椎が後凸の配列になる。

このようになりますと骨と骨の連結が強固になります。背骨の棘突起を叩打したときに本来ならば腰椎の椎体や椎間板、その他の組織に力が伝播して叩打痛が生じるはずです。しかし、腰部椎間板症になりますと極突起に与えた叩打の物理的刺激が周囲の骨に伝播してしまい叩打痛が起こらないことがあるのです。

つまり腰を叩打したときに叩打痛が現れないケースでは様々な腰痛の原因から腰部椎間板症の存在を否定することができます。腰部椎間板症以外のものだと言えるわけです。

高齢者で腰をポンポン叩くケースでは腰部脊柱管狭窄症や腰の筋力の衰えなどが多い

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では私達が日常で良く見かける高齢者が腰をポンポンと叩いているケースですがあの場合も同じくして腰部椎間板症の存在を否定することができます。実際に腰部椎間板症をお持ちになられている方にいくつかのお話をお聞きしても叩打痛で日常の痛みが緩和されることは全く無いと言います。またそういった除痛動作をとることもありません。

こういった身の回りで見かける高齢者のケースではどちらかというと腰部脊柱管狭窄症という腰の神経の通り道が狭まる病気であったり、もしくは骨粗しょう症などから由来する変形性脊椎症による姿勢の歪みが背景にあり、日常の姿勢が腰を屈めた前傾姿勢になっているため過剰に腰部の筋肉が動員されてそのために腰部の血行が障害されて腰が詰まるような感覚があって腰をポンポンされているわけです。

軽くポンポンするぐらいではゲートコントロールによる痛みのごまかしである。

ではポンポンと叩く動作がどのように医学的に有効性があるのかと言うことになりますが、基本的に身の回りでおじいさんが孫にポンポンと優しくリズミカルに叩いてもらって痛みが和らぐ程度の刺激の与え方では治療効果は全くと言って良いほどありません。

軽く疼痛刺激を与えると人間の脳は同時に二つ以上の情報を処理することができない特徴を持っているためそれまで感じていた患部の痛みを、叩く痛みによって紛らわして痛みを痛みによって上書きして打ち消すことが出来るのです。しかし、除痛は本来の痛みの原因である発痛物質の生成を抑えることにはつながりません。原因を除去せずに対処療法として除痛に走りますとやがて痛みが慢性化して治らなくなることもありますので注意が必要です。

もし仮に叩いて物理的な刺激によって治癒効果を得るのでしたらそれなりに患部の硬結を除去できるように刺激を加えて物理的にほぐしたり伸ばしたりすることが重要です。

ということでこれまで腰が痛くなるたびに自分で腰を叩打してポンポンと叩いてやり過ごしていた方で腰の痛みが取れにくくなったという方は是非とも専門家を受診していただければと思います。

それでは今日も最後までご覧になってくださいましてありがとうございました。

参考文献:「腰痛と神経痛がみるみる治る」著者:藤田 徳人 (整形外科医) 2006 P102

腰痛と神経痛がみるみる治る

検査法について

結論:先生に任せれば良い

  1. 中腰で起こった腰痛の評価法背中を丸めて痛みが出るか?腰を屈めて痛みが出るかで痛めたところを判断する。
  2. 臥位の徒手検査には異常がないが、立ち上がると腰に痛みがある。回旋筋・棘間筋・横突間筋などの小筋群が原因となる
  3. タイトネスチェック法立位体前屈で背中が丸くなるか、ならないかを見る。
  4. 打診器の見方反射が亢進しているときには脳の病変が疑われ、減弱しているときには末梢神経の障害が疑われる。
  5. 打診器を用いた腱反射テストについて 脊髄性の疾患や脳から由来する病巣を早期に見つける不可欠な検査であり、過剰な反射を見つけだすことで疼痛が感作されている状態を見抜く。
  6. SLRテストの痛みの出るタイミングとその原因片足を持上げる検査ではあるが持上げた足を下ろすときに痛みが顕著であれば腰部椎間板の痛み
  7. クラウスウェーバーテスト腰痛健康診断は重量物を扱う一定の職種にて行われるものであり、配置前検査と半年に1回の定期検査がある。
  8. ぎっくり腰の2つのタイプ、①曲げて痛い・②反らして痛い主に腰を曲げて痛みが強くなるものと、反らして痛みが強くなるものがあり、大抵どちらかの動作に優位に痛みが出る。逆側に動かすことで痛みが緩和されることが多い。
  9. 慢性腰痛患者が必ず受けるべき検査自称うん十年の患者の多くは無知によって腰痛を諦めている。
  10. 疼痛誘発検査慢性腰痛をお持ちになられており原因が分からなくてお困りになられている方にとって最も有力な検査方法の一つ
  11. a共同筋を用いた原因推測深層筋に異常のある腰痛では共同筋から原因推測が可能となる
  12. a治療上ストレッチが有効か無効かの判別FNS・SLRテストで完全に脱力した状態にも関わらず可動域を全て動かせるときにはまずストレッチは無効となる。
  13. a腰痛の診断で最も確実性が高いもの重大な手術に踏み切るときには必ず決定的な根拠が必要です。もっとも確実性の高い根拠となるのが神経根ブロックによって痛みの出ている神経を実際に麻酔で眠らせて痛みが消えるかどうかを見る検査
  14. 腰痛の原因追求腰痛治療では問診→視診→触診→理学検査→画像検査という順で最後に確認の意味を兼ねて画像検査をするべきだが、病院ではこの手順が全て省略されており最後の画像検査だけしか行っていないことが多い。
  15. 叩打痛との関係腰部の構造体には様々な役割があります。その役割が果たさなくなると叩打痛にも影響が見られます。
  16. 病院の検査では異常がないのに腰痛になった腰痛の多くに心理面(恐怖心からの防御反射)が関係している。
  17. 腰部の高位診断と神経障害の実際どの筋力が落ちたら腰椎の何番目が障害されている、どの反射が減弱したら腰椎の何番目が障害されているという責任高位を診断することは実は無駄なものが多かった・・・・
  18. aaa腰痛のタイプを評価判定するには後屈→前屈→側屈と10回ほど反復して腰痛のタイプを見る
  19. a腰痛の痛みの追求方法原因を特定せずに治療をしても、結果につながらない。にもかかわらず、原因が分からないのに、治療をしている医者は多い。
  20. 診断に用いられるもので、最も有効なもの徒手検査
  21. aaa三角筋テストでは腰痛の心理的な影響を見る三角筋テストは腕を保持するポジションから心理面を見るテスト法
  22. トーマステストの注意点ぎっくり腰の治療ではトーマステストで腸腰筋を検査するが、健側の膝を他動的に持上げると患側の膝が持ち上がるのはあくまでも痛みから逃れるための逃避であり、逃避をせず痛みを訴えると膝は持ち上がらない。
  23. 腰椎の側屈評価法胴体を側屈したときに腰椎がキチンと弧を描いて丸くなるかを評価する。固いと歩行時の体重移動が困難になる。
  24. ぎっくり腰の触診法圧痛点を評価する静的触診と、痛みの出る関節や可動域を評価する動的触診がある。
  25. aaaぎっくり腰の検査では痛みがある方向に体を動かす動きの抵抗感から原因をみる動体検査法がある。
  26. ぎっくり腰に陥り易い方の評価法立位や座位で腰や背中の状態を観察することが良い
腰痛の検査・慢性期判断

腰痛の検査・慢性期判断

「まとめ」ページを、「リスト」にしました。

中期的な経過判断

長期的な経過判断

セルフチェック

腰痛の検査データ

検査法について

検査の流れ

対応対処

「対応・対処」カテゴリーを11個に区分しました。

急性期の腰痛判断

急性期の腰痛対処

慢性期判断、検査

医療機関の対処

一般的対処A早期ケア・間違ったケア

一般的対処B慢性期

食事・栄養

手技対処

腰痛対策

道具での対処A(固定法)

道具での対処B(生活補助)

最新情報 

腰痛は気持ちが変われば治るか?

坐骨神経痛と変形性股関節症には違いがない

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股関節石灰にジグリングは効果ある?

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力仕事の腰痛対策の限界

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検査法について

結論:先生に任せれば良い

中腰で起こった腰痛の評価法

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打診器の見方

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SLRテストの痛みの出るタイミングとその原因

クラウスウェーバーテスト

ぎっくり腰の2つのタイプ、①曲げて痛い・②反らして痛い

慢性腰痛患者が必ず受けるべき検査

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共同筋を用いた原因推測

治療上ストレッチが有効か無効かの判別

腰痛の診断で最も確実性が高いもの

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叩打痛との関係

病院の検査では異常がないのに腰痛になった

腰部の高位診断と神経障害の実際

腰痛のタイプを評価判定するには

腰痛の痛みの追求方法

診断に用いられるもので、最も有効なもの

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腰椎の側屈評価法

ぎっくり腰の触診法

ぎっくり腰の検査では痛みがある方向に体を動かす

ぎっくり腰に陥り易い方の評価法

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