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椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は手術無しで治る?

手術

著作者:
skeeze

結論:長期の安静と姿勢の意識で改善されることもある。

腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は手術を受けずに治るものと治らないものがある。
自然治癒力の働きやすいものとそうでないものがある。
ヘルニアにも
①線維輪が潰れてコブになっているもの、
②線維輪が割れて髄核が飛び出しているもの、
③線維輪が割れて髄核が飛び出し、
④出血を伴うものなど様々ある。
線維輪がコブになっているものが慢性腰痛では最も多いが姿勢矯正をしないと治らない。
髄核が飛び出しているものは2~3ヶ月の安静によって治る。
だが、現実的に仕事を長期間休めず手術に踏み切ることが多い。
ヘルニア部の周囲の出血が内部に骨を作ると自然に吸収されなくなる。
いつまでも残存するため手術が必要になることもある。

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A、治るものと治らないものがある。

涙

結論から申し上げますと、「治るものと治らないものがある」このような回答になります。

やはり自然治癒力には限度があります。体はもともと自己治癒力によって体を修復させて常に新しい細胞に生まれ変わっております。もともと持っている自然治癒力の範囲のものでしたら当然のことながら治る可能性があります。

ところが自然治癒力の範囲を上回ってしまいますと治りません。

体には自然治癒力が働き安いものと働き難いものがある。

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では、自然治癒力の範囲のものとそうでないものはどういった違いがあるのか?これは症状の重さや発生時のきっかけの大きさだけに由来するものではありません。体の修復機能は得意なものと苦手なものがあって苦手なものになりますと自然治癒力が働きませんのでその場合は手術によって対処するしかなくなってしまうのです。

では体の自然治癒力が働く得意分野と苦手分野について少しお話させていただきます。

腰椎椎間板ヘルニアは椎間板が飛び出して神経に触れているもの。椎間板の飛び出し方による。

腰椎椎間板ヘルニアという病気は皆様も聞いたことはあると思いますし、知っているからこのページに訪問することができたのだと思っております。このページでは椎間板ヘルニアの詳細には触れません。ある程度ご存知のことを前提でお話をさせていただきます。以下の図は腰椎を右横から見ている図になります。

椎間板ヘルニア

ここでは簡単にお話しますので詳細が知りたい方は別のページなどをご覧になってみてください。簡単に申しますと腰椎の椎体と椎体の間にある椎間板が度重なる負担によって飛び出してしまい、図のようにヘルニア(脱出した椎間板の塊)の箇所が出来て、ヘルニアのコブが後方の神経に触れて圧迫したり、神経が炎症を起こして過敏になったりして腰や足に痺れを来たしたものを言います。

腰椎椎間板ヘルニアと通常の腰痛の違いは主に坐骨神経痛症状である、下肢(お尻・太腿・膝・股関節・ふくらはぎ・すね・足先など下半身のこと)に広がる痛みや痺れの有無になります。そして、自然治癒力で治るかどうかはあくまでもヘルニアのタイプ、つまり椎間板がどのように壊れてコブが飛び出しているのかが自然治癒力の範囲で治るのかに関わってくるのです。

正常の椎間板の図

では椎間板がどのように壊れて飛び出すのか?ということについてですが、次の図をご覧になってください。

椎間板上から見た図予算の都合上、雑な絵になってしまい申し訳ないのですがこの図は腰椎と椎間板を上から見ている図だと思ってください。(あくまで略図なので本物とは大きく異なることをご承知ください。)

そうしますと、腰椎を上から見ますと前方の椎体の上には椎間板が乗っております。椎間板はバームクーヘンにたびたび例えられ、年輪のように何層もの輪がある線維の層(線維輪)から構成されております。そして内部には髄核というコラーゲンの塊で出来た芯があります。この芯の部分で衝撃を受け止めたりしているわけです。椎間板の後方には神経(坐骨神経など)が走っております。

①線維輪が後方に突出したヘルニア

一つ目の腰椎椎間板ヘルニアは外層の線維輪という組織が潰れて飛び出したものです。

線維輪が飛び出している図線維輪が後方に飛び出して神経に触れている図。慢性腰痛やいわゆる腰痛持ち、また坐骨神経痛の患者にもっとも多い地味に腰を刺激するタイプのもの。突出度はそれほど大きくないので日常生活はなんとか送れますが腰の痛みによっていちいち動くたびに痛みに悩まされます。「腰痛持ちです」などとウン10年の腰痛キャリアを自慢気に仰られる方は大抵がこのタイプに該当すると思っていただくと良いでしょう。

②線維輪が割れて髄核が突出したもの

次に上げられるものは線維輪が割れてしまい内部のコラーゲンの塊の髄核が突出したものです。

線維輪が割れて髄核が飛び出す図線維輪の一部が割れてしまい、内部の髄核が後方に大きく突出しているもの。著しく神経を障害するため、完全に身動きが不能になる。患者の多くが痛みによって著しく生活が障害されるためノイローゼ気味になってしまう。髄核が飛び出してしまうものにもさらに細かな分類があり、飛び出した髄核がつながっているものと分離しているものなどがあります。

③線維輪が割れ、髄核が突出すると供に周辺の骨からも出血をしているもの

次に上げられるのは交通事故などの外傷がキッカケになって発生するような強烈な力が加わって生じるものです。やはり腰椎椎間板ヘルニアにも酷いきっかけで陥るものがあります。周辺の骨まで骨折を伴っているようなケースが次のものです。

周囲から出血している図大量の出血を伴うもの。交通事故などの強力な外力が加わって発生するものもありますが、一部の糖尿病患者では骨の表面を覆う骨膜の材料であるムコ多糖類の合成障害を起こしており、骨膜が脆弱になることで骨から出血を伴うこともあります。

最も治りが悪いものは①の線維輪の変形

いろいろ見てきたわけですが、常識的に考えるときっと③や②が最も自然治癒が働かない酷いものだろうと思えてしまいますが、自然治癒が全く働かないのは実際のところ①の線維輪が変形しただけのものになります。

この場合は幾ら時間が経過しても残念ながら何もせずに自然に治ることはありません歪んだ椎間板を補正するために日常生活の姿勢を気をつけることで少しずつ細胞の新陳代謝と供にコブが消失して補正されて行きます。余りにも生活が辛ければ手術で切除してしまうことも一つの方法ですが、やはり歪んでしまう日常生活を改善しないと手術でコブを切除しても別の部位にコブが出来るだけで根本的な改善にはなりません。「俺は腰痛持ちだ!」と仰られる方の多くは「アイツは甘えている」・「社会不適合者だ!」と陰口を言われがちですが本人が姿勢に対しての考えを改めない限り絶対に治ることはないのです。

髄核が線維輪を破って脱出したものは自然退縮する。しかし、2~3ヶ月の安静を余儀なくされる。現実的には仕事を休めないため手術に踏み切ることが多い

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次に、線維輪を突き破って髄核が飛び出して坐骨神経を圧迫してしまうようなタイプについてです。文献などではこれが直接の原因となって坐骨神経痛を起こしたときには「手術以外に方法はない。」などとかつては言われており、今でも図書館などに寄贈されているような過去の文献ではかなりの数の文献にそのように記されております。ところが近年の研究では実際のところは免疫細胞の白血球が飛び出した髄核の部分に血管を新生して髄核を食べてくれるためやがて髄核のコブが消失して自然退縮することが明らかになっております。線維輪の外層を突き破っているのかどうかが免疫細胞の攻撃対象になるかどうかを分けると思ってください。

ただし、自然退縮には時間が有る程度掛かります。一般的には2~3ヶ月の歳月を要すると言われており、その間は仕事ができず安静を余儀なくされます。多くの場合そんなにも仕事を休めない方が多いです。生計が成り立たないという理由で即手術に踏み切る方もおります。プロスポーツ選手の場合はそんなにも休んだら試合に参加できずスポンサー企業から契約を切られてしまいますので即手術を決断される方もおられるほどです。つまり自然治癒は得られるけれどもそんなには待てないというのが実情です。

交通事故外傷などでは出血量が多すぎてヘルニア部に骨化が起こり吸収されないことも・・・

また、③のヘルニアと供に周囲から出血を伴うようなケースになりますと少し複雑な話になります。出血部位は何もせずにそのままにしているとカルシウム成分がそこに集まってきて骨のようなものが出来てしまうことがあります。骨は基本的に免疫細胞の攻撃対象外です。椎間板や髄核は通常リンパ液から栄養を得て、血管から栄養を貰っておりません血管から栄養を受けている組織は皆、免疫細胞から攻撃を受けないようになっております。飛び出した髄核の中に骨が入り込んでしまうと全く吸収してもらうことができませんからコブが自然退縮せずいつまでも残り続けてしまうため長期安静を選択しても自然治癒は得られませんから手術以外の方法はありません。

神経障害や痛みが強かったり、筋力低下・排尿・排便が障害されていれば様子を見ることなく手術に踏み切る必要がある

また、いくら自分では「手術だけは絶対に嫌だ!」とお思いになられていたとしても医師から強く手術を提案されることがあります。要するにはドクターストップにあたります。それは神経の障害が進みすぎていたり、余りにも痛みが強すぎて緩和することができないとき、筋力の著しい低下が予測されるときです。さらに言えば選択の余地がないのは排尿や排便が障害されているときです。排泄ができない状態が数日続くと腎不全など命に関わることがありますから緊急手術が不可欠。その場合は特に強く担当医からそのことを宣告されるはずです。

ということで、治るものもあれば治らないものもある。臨床上の多くのものは線維輪がつぶれているだけなので根本的な対策には姿勢を矯正する必要があるので注意してください。

※まとめ

  1. 手術を受けずに治るものもあれば治らないものもある。
  2. 自然治癒が得られるものは線維輪が割れて髄核が飛び出しているもの。
  3. 線維輪がコブのように飛び出しているだけならば姿勢を矯正する必要がある。
  4. 飛び出した髄核に骨が混ざると自然になくならない
  5. 一命に関わるものや後遺症など緊急性のあるものは意向には沿えず、強く手術を勧められることもある。

参考文献:「腰痛完治の最短プロセス」著者 西良 浩一(徳島大学運動機能外科学・整形外科教授)、室伏由佳(アテネオリンピック女子ハンマー投げ日本代表 2014 P92「ヘルニアは自然に治る?」を参考)

腰痛完治の最短プロセス

それでは最後までご覧になってくださいましてありがとうございました。また次回も坐骨神経痛の皆様のために頑張りますのでご訪問なさってください。

<付録>余談にはなりますが、今でも怪しい整体院を受診されると「バリバリッ!バッキーン」などと「強烈な手技で腰を操作された」と体験談を語られる腰椎椎間板ヘルニアの患者様がまれにおります。しかし、意外にも線維輪にヒビ割れが入って免疫細胞が椎間板内部に浸潤できるようになり飛び出しかかった髄核を食べてくれることで本当にヘルニアが治ったというウソのような逸話はたびたび耳にします。皆、患者様が自ら仰られるお話なのできっとどこかの治療院では本当に行っている荒技なのでしょう。理屈は分かりますが、さすがに当院ではそんな荒技は絶対できません・・・

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