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腰痛防止のために意識的に改善するべきもの

主婦Mさんの腰痛体験談、ご主人のリストラを期に工場勤務のアルバイトを始めるが初めての肉体労働の前に腰痛を患ってしまう。イスに腰掛ける習慣からもたらされる股関節・膝関節・足関節の拘縮が関節に曲がったクセをつけて体を軸で支える関節間力を失わせてしまっている。根本対策としての関節間力を回復するためのストレッチ、腹筋トレーニングなども指導する。

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50代主婦Mさんの腰痛体験談、専業主婦から工場でのアルバイトをはじめたら腰痛に

今回は50代主婦のMさんの体験談です。以下はMさんのお話に基づいた内容になります。

・・・はじめまして、Mと申します。私の場合はそれまで腰痛は経験したことがありませんでした。ところが、50代になって初めて腰痛を経験したのです。腰痛を患うまではそんなに大変だということは知りもしませんでした。
「腰痛なんておじいさんやおばあさんのなるもの」
そんな遠いことぐらいに考えていたのです。
それまで専業主婦だった私は、日中は家で過ごし家事をしたりとのんびりと暮らしてきました。
ところが、50歳になると主人のリストラ、そして調度、子供も成人したこともありそれからは外で働いてみようと決心して近所の町工場で働くことにしたのです。

工場での仕事は主に商品の検品をする作業です。ダンボールに入った商品がベルトコンベアーで運ばれてきてそれを仕分けしたり商品のチェックをしたりする。生まれて初めての肉体労働を経験しました。

腰痛を患ったきっかけはたぶん工場で前屈みになって検品をしているからだと思います。箱詰めされた商品を隣のテーブルに乗せてチェックし、そこにエアクッションを入れて蓋をして隣に戻す。そんなことを一日していると段々と腰が痛くなって夕方ぐらいになると我慢ならなくなってしまったのです。

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最初のうちは休んだりマッサージを受けて治っていたが・・次第に痛みがしぶとくなってゆく・・・マッサージ改善しなくなり根本治療を決心

勿論そういった夕方ぐらいになって現れる腰の痛みは最初のうちは家に帰って一晩寝れば全く問題なく軽くなります。しかし、初めての肉体労働です。最初のうちはすぐに疲れも抜けますが始めてから2ヶ月もすると次第に腰から痛みが抜けにくくなるのが分かります。マッサージを受けて痛みが軽くなったこともありましたが徐々に酷くなって、仕舞いには腰の痛みがずっと続くようになっていったのです。仕事を始めて2ヶ月もしますと、ついつい気がついたときには握りこぶしでトントンと腰を叩くクセが付いてしまい、叩くと気持よいので毎日そうしております。
でもこのままだとどうなってしまうのか分かるんです。
きっと私はこの先腰痛持ちになって、働くことができなくなってしまう。やがて老人のように腰が曲がって満足に日常が過ごせなくなってしまう、そして働けないことで収入が今よりも乏しくなってしまう・・・・・というよりも私が働けなければ家計収入は0です。

日頃通っているマッサージの効き目が段々と現れなくなって行き、その日マッサージを受けて軽くなったけれども翌日目覚めたときには戻ってしまうようになってついに決心しました。もうその場限りの腰痛治療ではどうすることもできないことを。根本的な対策を求めてそれまで辛くて挫けてしまった運動やダイエットなど本気で取り組んでみようと思ったのです。今決心すればきっと変わることが出来る・・・アルバイトの仕事だって本当に苦労して採用してもらいました。仕事は色々とありますけれども冷暖房完備の工場で働くことができて時給900円、家からも近くて、仕事と家庭を両立させることができるこの仕事は絶対に辞めたくはありません。私と同じように主婦の仲間だって大勢います。これまで専業主婦としてあまり人と関わりはありませんでした、でもようやくこの仕事を始めて友達だって出来るようになりました。周りの人から見れば
「そんなに腰が痛ければ仕事なんてやらなければいいでしょ」
と思われるかもしれませんが、こうして働けることが何よりも嬉しいんです。何とかして仕事を続けながら腰痛を治したい!だからこそ根本治療を決心したのです。

まずは健康番組や腰痛の本、ネットを診て腰痛のことを研究する。そんな中でアークス整体院と出会う

腰痛治療と言っても何をして良いのか分かりません。
テレビでは両手を腰に当てて腰を後ろに倒してお腹を突き出す
「これだけ体操」というのを紹介しておりましたのでそれをとりあえず行ってみると腰が少し楽になったのが分かります。しかし、運動の経験などありませんのでやはり間違った治療をして腰を悪化させないように専門家のアドバイスをしっかりと受けてみようと思ったわけです。

根本対策を求めるMさん、

ではMさんからのお話はここまでとさせていただき、以下は当院の話に切り替わります。

電話でMさんからのご依頼を受けたときにはいつもの急性期の腰痛対処なのかと思ったのですが様子が普段のお客様とは大きく異なることが電話口の雰囲気から伝わってくることが分かります。散々努力をしてその結果むなしく上手くゆかず、悲壮な決意をして根本対策を求めて連絡をされたことが手に取るように伝わってくるのでした。

治療には2種類があり、根本治療と対処療法がある。通常の肉体の酷使によるぎっくり腰は対処療法だけでも十分である。

私どもの所にご連絡をされる患者様は大きく分けると2種類になります。1つはその場の腰の痛みを何とかしてもらいたいという対処療法的な治療をお求めになられる方、もちろん普通のぎっくり腰ではそれで十分です。子供の運動会の綱引きに参加したら翌日にぎっくり腰になったとか、ゴルフの大会で頑張りすぎた、ハイキングで沢山歩いたとか原因のはっきりしているもの、肉体の酷使によるようなものは急性期の対処だけで他に特に何もする必要などありません。それで腰の痛みは治まりますし痛みが治まれば日常の仕事に復帰する事だってできます。ぎっくり腰の発生頻度が数年に1回ぐらいならそういった対処が治療のメインとなっても全く問題はありません。

休養の疲労の解消と、労働による新たな疲労の収支バランスがマイナスのときには根本療法が必要となる。

しかし、ときにそういった対処療法だけでは済まないケースもあります。それがもう一つの根本治療になるのです。根本治療は、急性期の対処療法だけでは対応できないような症状の進んだ患者様に必要なもの。

蓄積した疲労を睡眠や休養によって翌日には回復させることができます。ところが疲労の度合いが増えすぎてしまうと毎日の休養では疲労が抜け切れなくなります。銀行で言う所の収支バランスのようなものであって、毎日の休養で解消される疲労と仕事で新たに発生する分のトータルの収支がプラスになるときには腰痛は発生しません。ところが収支が逆転してマイナスになると、やがて段々と腰に疲労が蓄積するようになって行き、最後には腰痛を引き起こしてしまうわけです。

疲労収支がマイナスになる理由①過密な労働

では疲労の収支がマイナスに着地して次第に対処療法では追いつかなくなってしまう原因としては何が関係するのか?これは主に二つのものが考えられます。マイナスになる理由の一つ目としましてはやはり労働量や仕事の負担などが重すぎて過密な労働をこなしていることがあげられます。毎日重たい荷物を運ぶような肉体労働をするケースもそうですし、意外なことですがデスクワークでも常に同じ筋肉ばかりを酷使しますので腰が局所的にマイナス収支になることもあります。

今回のMさんのケースでは明らかに重たい荷物を持上げて箱をベルトコンベアーから移したり、腰を長時間屈めて検査をしたりと様々な作業をします。ゴルフを頑張って腰を痛めるような急激な発生ではありませんが日常の業務の範囲で発生する疲労が解消仕切れないために起こるマイナス収支であり、ある意味では過密な労働が関係していると言えます。

理由②体の脆弱化

次に疲労の収支がマイナスになる理由としましてはやはり体の脆弱化が上げられます。脆弱化とはいわゆる老化のことでもありますし、筋肉が衰えてしまうこともあります。今回のMさんのケースでは年齢が50歳であることから少なくとも加齢による体の劣化もあります。また、これまで専業主婦で過ごされてきたことからも新しい職場の仕事に体が慣れていないこともあります。主婦業ではイスに腰掛けて休憩しながら家事をすることができますが、働くようになって家事と共に仕事もこなします。工場の仕事は立ち仕事ですから体の使い方がこれまでとは丸っきり違います。だからこそ体が仕事について行けません。こういったことが疲労収支がマイナスになってしまった一因なのだと考えられるのです。

理学検査を実施することで柔軟性評価、筋力評価、体重評価で問題が見つかる。

もちろん憶測だけで治療をするわけには行きません。大切なことは腰痛の背景となる身体的な要因がないかを評価して証拠を揃えることです。そこでMさんに様々な理学検査を実施していったのです。

一般的に腰痛の検査では問診・視診・触診・理学検査と言う流れで原因を調べてゆきます。今回は問診を通じてMさんの腰痛の背景となる仕事の条件を見つけ出すことはできましたがそれだけでは原因を確定するには至りません。身体的な要因を見つけるためには幾つかの検査を複合してゆくわけです。そして最終的に理学検査を通じて原因が見えてきます。

こうして理学検査を実施したときにMさんでは柔軟性評価・筋力評価・体重評価で様々な問題が分かりました。

理学検査①柔軟性評価、立位体前屈で手根が床にペッタリ着くべきが全く届かない。

まずは柔軟性評価です。この検査では立位体前屈を主に実施していただきます。腹臥位から腰を反らす腹臥上体反らしなども重要な指標ですが言い出すと切がありません。最も代表的な指標として立位体前屈を実施します。ここで問題なく標準値を上回っていれば改めて別の柔軟性評価を実施しますが初期段階では立位体前屈だけ実施してもらえば申し分ありません。

ではこの標準値はどれぐらいなのか?これは検査器を使って踏み台の上に登って実施するのが本来のやり方ですが出張整体ではそこまで特殊な機会を用いることは一般的ではありません。私達はそういった検査法を独自に改良して簡素化し、患者様の自宅で実施できるような指標に置き換えて実施しております。

この場合は十分な立位体前屈の指標としては手首の手根が床にぺったり付くかどうかを判断基準にします。指先が軽く床に触れる程度では不十分。手根が床に着くぐらいならば検査器では20センチぐらいをマークします。ここまで出来て初めて優・良・可でいうとことの優に該当するわけです。

ところがMさんの場合は遠く及びません。20センチほど基準値を離れますから何とか「可」といったところこれでは体の背面の筋肉が硬いのでやはりバランスが崩れているわけです。

立位体前屈で標準以下の検査値では膝関節に屈曲拘縮が必ず生じている。

ではなぜ背面の筋肉が固くてバランスが崩れることが腰痛につながるのか?これはある程度柔軟性が低くなってくると体の背面の筋肉が固く短縮するため股関節や膝関節、足首の関節に屈曲拘縮が必ず生じてくることが関係します。屈曲拘縮とは関節角度が一定の位置からそれ以上深く曲げたり伸ばすことができなくなってしまう現象です。この場合股関節や膝関節、足首の関節が曲がったまま伸ばせなくなってしまうために姿勢が歪んでしまうわけです。

下肢の関節が完全に一直線だと関節間力が働いて力を使わずに立っていることが出来る。

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姿勢が歪んでしまうと腰痛が起こる理由としては、本来股関節・膝関節・足関節に曲がったクセが付かずにそれらの骨が一直線に配列をしておりますと骨と骨が柱のように押し付けあって安定をします。この押し付けあって安定する力のことを関節間力と呼びます。関節間力が働いておりますとほとんど力を使わずに立って姿勢を保つことができるのです。

僅かにでも曲がっていると関節間力が働かないため筋肉を強制的に動員して疲労収支をマイナスにする

ところが今回のMさんのように股関節・膝関節・足関節の3つに屈曲拘縮が生じているとどうなってしまうのか?傍目には変化がわかりませんが微妙にズボンをめくりあげて膝を観察すると膝が僅かに曲がっていることがわかります。本来ならば膝関節は僅かに5度ほど逆反りするのが普通、ところがこのときには膝が僅かに曲がっているため太腿の大腿骨と下腿骨が完全な一直線ではなく斜めに接し合うことになります。

本来ならば働くべき関節間力が働いてくれません。斜めに傾いている骨には倒れ込む力が働きますので必死になって下半身から腰までの筋肉を動員することになります。すると普通に過ごしているよりも筋肉が頑張り続けます。これが疲労収支をマイナスにしてしまう一番の要因だったのです。

Mさんは当院にご連絡されたとき開口一番で
「先生、その場の痛みをとってもらいたいわけでなく根本的な治療をしてもらいたいんです。その場限りの治療では2~3日経つと戻ってしまいます。だから腰痛が起こらないように根本的なところを見てください。そして運動が必要だったらやってみますからそういったことを教えてください」
このようにおっしゃられました。
Mさんの場合はご本人では筋肉が不足しているから腰痛が起こるのだと思い込んでいらっしゃったのですが決してそういうわけではありません。下肢に生じている屈曲拘縮を改善して関節間力が筋肉の負担を軽減すれば必然的に疲労収支がプラスになることが分かりましたのでそのことを結果的に御伝えしたわけです。

しっかりと関節間力を利用して立位をキープできるようにならなければどんなに足腰を鍛錬しても腰痛の発生を防止することはできないはずです。本来ならば僅かな疲労も発生させないはずの関節間力で姿勢を保持する場面で筋肉を動員しているからこそ腰を痛めてしまったわけです。

関節間力を改善するために壁を利用した、片足づつ実施する長座位体前屈を指導

ではどうやって下半身の屈曲拘縮を改善して疲労収支をプラスにすることができるのか?ここでは屈曲拘縮を改善するためにとりあえず二つのストレッチを指導させていただきました。本当はもっと沢山のことがあるのですが一遍にいくつも覚えることは無理があるので二つ実施して覚えてくださることが良いだろうと思ったわけです。

関節間力を取り戻すためにはやはりストレッチを実施して短縮している下半身後面の固さをとって行く事が必要です。特に固くなりがちなのは現代人ではイスに腰掛けて膝を曲げて過ごしますから誰しも太腿の裏とふくらはぎに強い筋肉の短縮を持っております。欲を言えば太腿の内転筋という内腿も硬いですがそこまでは最初の段階では求めません。

具体的には長座の状態から足首が直角に曲がった状態に保てるように壁に足裏を密着させます。両足をくっつけて同時にストレッチすることも可能ですがそれだと負荷がきつすぎます。抵抗が強すぎて伸ばすのに一苦労します。したがって伸ばしたい側の足だけを壁に密着させて、伸ばさない側の脚は膝を曲げて開きます。そして伸ばしている側の足に上半身の体重を掛けながら体を倒して行くわけです。

このときには体を倒すポイントとしては膝が浮き上がらないようにすること、そして足首の直角を保つこと。さらには手を足に近づけるという意識よりも骨盤ごと体を倒していくつもりでストレッチを実施します。片手を膝頭に置いて膝が浮き上がらないようにすることも良いでしょう。

大腿四頭筋の緊張を取って骨盤の前傾を改善する方法

そして二つ目のストレッチとしては太腿の前面に備わる大腿四頭筋という筋肉をストレッチすることです。太腿の前面の大腿四頭筋は骨盤に付着して膝のお皿を経由して脛につながっております。そのためこの筋肉を酷使すると短縮したときにはその付着部の骨盤を前方に牽引して骨盤を前傾させます。この前傾によって股関節に屈曲が加わりますので屈曲拘縮を起して膝・足首・股関節の関節間力を失わせてしまうのです。

したがって大腿四頭筋のストレッチを指導しました。これも両足を同時にストレッチする方法ではなく片足ずつ実施する方法になります。伸ばしたい側の片膝を曲げた状態で背中を下にして寝転びます。膝の先端を床にくっつけます。もう一方の足のかかとで伸ばしている膝をロックして膝が浮き上がらないようにします。すると太腿の前面がピーンと伸びる感じがするはずでしょう。これによって骨盤の前傾が改善されて関節間力がよみがえります。

先に述べたストレッチ法も含めてですがストレッチとはそもそもが1回やれば効果が永続されるものではありません。最初のうちは体の固さが強いため一旦ストレッチで伸びても数日すれば元通りに戻ります。

ところが何度もストレッチを実施しますと筋肉のテンションを調整している筋紡錘というセンサーの過剰な働きが抑えられるので筋肉の固さの持続性が次第に高まって一回のストレッチの効果が数日間持続されるようになるのです。また顕微鏡レベルで見たときに筋肉の分節である筋節という筋肉の節の数が増加することで筋肉が長さを増します。これによって柔軟性が高まった状態が保持されるようになりますので関節間力によって足腰の力を使わずに立ち仕事が出来るようになり腰を痛めずに済むことでしょう。

筋力では代表的な要素として腹筋の検査をする。重たい荷物を持つ仕事では体重の10%を保持した状態で1分間の上体起しの保持が必須

当然のことですが関節間力を働かせられるように柔軟性を改善することも大切ですが人の体とは複合的な条件を組み合わせることで変化値が大きくなります。一つの要素だけで腰痛を改善しようと思うとどうしても変化を実感できるまでに時間が掛かりすぎてしまいます。柔軟性のトレーニングと並行して筋力を鍛えることも有効になります。筋トレに関してはスクワットが良いとか背筋力を鍛えることが良いとか様々な説がありますが如何せん腰を痛めている方が無理なく取り組める種目は少ないです。腰痛中にスクワットを実施すると腰の痛みは悪化します。背筋運動のように腰を反らすトレーニングも腰痛患者にとってはかなり厳しいです。また医学的なエビデンスに乏しくて筋力値で腰痛と関連性の大きいものは少ないです。

そのような中で唯一筋力値で腰痛との因果関係が明らかにされているものが腹筋です。理論上背筋も鍛えれば腰痛発生防止につながるはずですが、人は60代まで背筋は衰えないとする学説もあります。著しく年齢との反比例関係がはっきりしているのは全身の筋肉の中では断トツで腹筋があげられます。

では腹筋はどれぐらいあることが良いのか?私が学校で勉強したときには1分間の腹筋の連続実施回数を測定して何回以上実施できれば優・良・可という感じで評価をしましたがいまひとつ簡易性にかけます。また腰痛患者にとって激しく連続で腰を曲げ伸ばしすることは恐怖心を感じます。痛みを引き起こす原因ともなりかねません。ですから出来るだけ静止状態で検査を出来る指標となる方法が良いです。

そこで私が着目したのは厚生労働省でも推奨している腰痛健康診断で用いられるクラウスウェーバーテストです。このテストでは体育の授業の腹筋運動の要領で床から腰を浮かせ、その状態で1分間上体を保持できれば日常生活での立位での体幹の筋力は十分あるという評価をします。立ち仕事をする場合は体重の5%の重量物を保持した状態を1分間保持できる必要があるとします。

ただし、今回のMさんのケースでは重たい荷物を持ちながら更には立ち仕事をこなすわけです。通常の立ち仕事程度の筋力では不足することは間違いありません。具体的にはクラウスウェーバーテストでは重量物を扱う仕事は対象としておりませんので体重の何%の負担に耐えられると良いということは明確にはできませんが、8~10%ぐらいの負荷を1分間保持できるぐらいはせめて必要だろうという結論をくださせていただきました。

やはり筋トレもストレッチもそうですがその種目自体は何十種目も何百種目もあります。筋肉一つをとっても全身には何百もの筋肉がありますので全てを並行して鍛えれば良いのですが最も影響度の高いものを厳選しないと効果が上げられませんし努力量が増えるほど達成が困難になります。出来るだけ少ない努力で達成できるメニューを組むことが大切です。

体重・身長から割り出した体格指数(BMI)が22を上回っているためダイエットも指導

また、努力目標として指導させていただいたのがダイエットです。これは理学検査をしたときの検査データで、体重と身長から割り出す指標にBMI(ボディー・マス・インデックス)というものがあります。通常は男性でも女性でもBMI22が理想になるのですが彼女の場合はそれを大きく上回って30ぐらいになります。また体脂肪率も女性ならば24%が標準なのですがそれを上回っておりますので若干の肥満傾向があることは確か。そのためダイエットで体脂肪率を改善していただくことを提案させていただきました。

ただし、これに関しては食事を絶食して落とすことは絶対に止めるように注意をしましょう。食事だけを制限して体重を落とそうとするとどうしても筋肉量が減ってしまうからです。筋肉だけが落ちると後々リバウンドが起こりやすくなり返って太りやすい体質となって逆効果。ですから大前提として体重を減量するためには運動で痩せること。そして減量のペースは1ヶ月1キロ、これを上回るハイペースでダイエットをすると結果的に怪我や病気、体調不良などさまざまな弊害がおこります。なのでペース配分を意識しながら落とすことが大切です。

肉体労働をする人ではあくまでもダイエットは努力目標に留めること

また、やはりダイエットは腰痛対策では本命の対策ではなくおまけのようなものです。相当肥満傾向ならば絶対に落とすべきですがMさんの場合はそこまで深刻な状態ではありませんからあくまでも努力目標、すなわち無理なく取り組める範囲で行うと複合した努力によってより腰痛の根本治癒までの期間が短縮されるものだというぐらいに捉えていただくようにお願いをしました。

Mさんの場合はこれまで肉体労働の経験がないため体が仕事に慣れて居ない部分が大きいのだと言えます。一日中立って仕事をしていればそれ自体が有酸素運動ともなります。ウォーキングともなることでしょう。なので本当の意味では運動そのものはさほど特別の努力は必要ないです。しかし、余裕があって取り組めるならやることは良いです。やはり引き締まった体型を手に入れることができれば誰しも美容や健康につながりますので嬉しいものです。

今回のMさんのケースでは急性期の腰痛の治療はもともと目的とはしておりません。というよりも診させてもらったときには腰痛すらありません。従って特別急いで腰の急性期対処を要するわけではないです。しかし、勤務中に疲れると現れる腰痛なのでこういった根本指導が必要なわけであり全ての方に根本治療が必要だとは私どもも考えてはおりません。

こうして池袋在中のMさんの初回の腰痛治療を終えたわけです。

結果的に見立てのとおりで下半身の拘縮からもたらされる関節間力を失っていることが腰痛の一番の原因であることには間違いがなく、簡単なセルフケアをすることでその後程なくして腰痛は完治して今に至っているのです。その後何度かMさんとメールなどでやり取りをしている中で腰痛の頻度が減っていることに彼女自身もとても満足してくださっておりました。

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「対応・対処」カテゴリーを11個に区分しました。

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④-2医療機関の対処②

一般的対処A早期ケア・間違ったケア

一般的対処B慢性期

手技

⑧-1腰痛対策

⑧-2腰痛対策②

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