ぎっくり腰は偶発的なアクシデントと思われるが不運などではなく、統計的に受傷者の6割が再発を繰り返すことから明らかな原因がある。体型的なものなど先天的な要因でもあらず。その発生の背景にある最も大きい共通点は作業上のムリ・ムラ・ムダ、これを無くすために必要なのが動作経済4原則
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ぎっくり腰は重たいものを持ち上げたときのアクシデントと思われるが皆様はぎっくり腰という言葉を耳にしたときにきっと重たい荷物などをもちあげたときにグキッとなってしまう姿だけを思い浮かべてしまうことでしょう。 こういった受傷機転が先行してイメージされるのできっと『ぎっくり腰=アクシデント』と御考えになられることです。周りの方の多くも耳にしたときには『かわいそう・・』となどと口にされることです。 発生率を診ると偶然ではないことが分かる。このようなアクシデントという不運なイメージがありますが、統計的に診たときには発生率では明らかに偶然ではないことが分かるのです。 受傷者の6割以上が毎年のように繰り返す。こういった方の発生率を診ていったときに受傷される方はおおむね6割の方が毎年のようにぎっくり腰を繰り返しているのです。これは明らかに偶然とは呼べぬと思います。 繰り返す者の要因の多くは普通体型や引き締まった体型では、繰り返してしまう方にはどんな問題があるのか?と申しますと、皆様はきっと明らかな肥満体型など身重なお体をイメージされるかもしれません。ところが必ずしもそういった原因ばかりではないのです。体系的には至って普通だったり、むしろ引き締まったお体をされている方などの方が多いぐらいです。 ぎっくり腰の常連の共通点、ムリ・ムダ・ムラこういった方のには共通点があったのです。それは体型や、日常の姿勢、仕事の職種などではなく仕事や作業におけるムリ・ムダ・ムラであったのです。 ①ムリ:腰部を損傷させる直接の原因作業時にみられる一番の特徴はムリという部分です。こういった方は例えば『荷物を運んでください。』と指示を受けたときには明らかに一人で運ぶのが難しいような高重量であっても急に持ち上げてしまったりします。 慢性腰痛患者がリハビリをして悪化するのはムリによるものがある。長年腰痛に苦しまれている人がどのように自分で努力してリハビリしてもなかなか腰痛を克服できずにいる多くの原因はムリという部分です。どんなリハビリ種目もそうですが『これならば安全』という種目は存在しません。にも関わらず彼らの多くはまったくそういった配慮なしに見よう見真似で上級者のトレーニング種目を実施して腰痛を悪化させてしまったり、腰部が衰えているのにも関わらず指導者の監督なしでダンベル体操など不適切なトレーニングを行います。 無謀なことをしているのに気がつかないことが多い※スポンサーCM こんなムリをされているにも関わらず。 このように真剣におっしゃるのです。ご自分では無謀なことをしていてもそれにはまったく気がついておらぬず必死になって努力しているとおっしゃられることが多いのです。 ②ムダ:余計な仕事や、やらなくても良いことで体力を消耗次にあげられることは作業のムダです。例えばぎっくり腰になってしまった方に受傷までの経緯をお伺いしますと、ジャンピングスクワットを前日に300回行ったとかおっしゃられる方もおります。そういった方が働かれている職場では誰か一人が残業していると『自分が先に帰るのは申し訳ないから』ということで、みんなで一緒になって居残りする悪しき風習があったりします。また、毎晩のように睡眠時間を削ってゲームに興じたりと本来ならば必要のない無駄なエネルギーを使っていることがとても多いのです。 ③ムラ:作業が連続して続いておらず、分断されてしまっている。そして、最後の共通点がムラになります。これは一つの作業が何回も分断されてしまっており、作業効率が明らかに落ちてしまっていることを意味します。例えばマラソンをするときなどお考えいただければ分かると思いますが、走っていて疲れるからといって100メートルに1回の間隔で休憩を挟んでいたら、かなりエネルギーのロスが大きいですよね。 質量があるものは動き出すときに一番エネルギーをロスする。人間の体とはかなりの質量がありますので、動き出すのに膨大なエネルギーを必要とするのです。一旦動き出してしまえばエネルギー消耗が安定しますが、分断して動くほどこの立ち上がりの消耗によってロスが大きくなります。 動きが連続するほどロスが少なくなるですので作業でのロスを少なくするためにはできるだけムラを防止し、作業を分断しないよう連続にする必要があります。 ムラを最も少なくしたのがライン工場こういったムラをもっとも少なくするために考えたのがライン工場です。沢山の作業員が手分けをして、部品を仕分けする機械、加工する機械、切断する機械、など仮に一人で行ったならば作業行程が変わるたびに複数の機械の間を行ったり来たりせねばならないのですが、担当を細かく区分して、同じ作業だけを連続して行えるようにすることでこういったロスを極限まで削減することができるため、体力の消耗が少なくて済みます。 ムラの大きい人ほど自分ひとりで全て行おうとする。そして、このようなムラの大きい人ほど日常の仕事の場面では他人と協調性がとれず、いろんな仕事を一人で抱え込んでしまいます。その結果ムラが多くなり多くのエネルギーを消耗して疲労困憊になってしまうのです。 ムリ・ムダ・ムラを防止するために必要なのが動作経済の4原則このムリ・ムダ・ムラを防止するために必要となるのがギルプレスの動作経済の4原則となるのです。 動作経済の4原則※スポンサーCM
では、以下にそれぞれ述べさせていただきたいと思います。 1、できる可能性のある能力を上手く活用する。たとえば、片手だけでパソコンを入力することはできますが、とても非効率です。ところが両手を使って入力ができれば両手が有効に使えます。このときに足で操作できる器具や、瞬き一つで操作できるツールなどがあればもっと便利になります。作業中に使っておらぬ部分が少しでも少なくなり、フル活用できることが望ましいですね。業績の悪い企業ほど、こういった使えるものが機能しておらぬことが多いのです。 2、必要動作の数を、最も少なくする。例えば、朝起きて、洗面台に行ったときに歯を磨いて顔を洗って、ひげを剃ったりといろいろなことをすると思いますが、朝起きたときに顔を洗う。食後に歯を磨く、出勤直前にひげを剃るなどと、分けてしまっても良いですが、それだと洗面台へと3回足を運ぶことになりますよね。また、お部屋の荷物を整理したときなどついでにお掃除もできれば荷物を動かす手間も1回で済みます。仕事の帰り道にお買い物をすれば出かける手間が一回で済みます。このように1回の手間で複数のことを行うことで必要動作の数を少なくすることができます。 3、動作の距離をもっとも短くする。例えば必要な荷物があったときに台所にボールペンが置いてあったり、書斎に包丁が置いてあったり、と荷物が乱雑に整理されてあると家中を沢山歩き回って動作の距離が増えてしまいます。ところが必要なものとそれに関連したものが近くにあれば移動距離は出来る限り少なくできます。整理整頓して、分類分けしたりすることができれば使いやすいです。 4、動作をやさしくムリのないものにする。例えば重たい荷物を一人で持ち運ぶような作業をしているとすぐに疲労困憊になって作業が行き詰ってしまいます。ところが複数名で行ったり、台車やリフトなどを用いれば疲労困憊になりませんので、その作業を沢山こなす事ができ、長く続けられます。また、ムリのある内容をしていると怪我などのリスクが増えてしまい仕事が続けられなくなります。一人が受け持つ仕事量が増えすぎてしまって過労で働けなくなったり、疲れてしまい作業のミスや交通事故をしてしまったりすると全体の作業に支障を来たしてしまうこともあります。 動作経済を見直してぎっくり腰を防止しましょう。いかがでしたでしょうか?今述べたような内容を実施していただくことで動作経済を見直していただくことが必要であり、こういったことを日頃から心がけていただければぎっくり腰の発生も大幅に減らすことができるのです。 ぎっくり腰をしない人との違いはモーションマインドこのようなぎっくり腰を毎年のように繰り返している人とそうでない人の違いを述べさせていただきますと大きな違いがあってそれがモーションマインドになります。モーションマインドとは普段からどうやったらムリ・ムダ・ムラがなく最も楽に動作ができるかを考えるためにこの動作経済の4原則に基づいた考えが完全に定着しており、常にこの考えに沿ってどうやったらもっと楽にできるか?これを必然的に選択して行動していることをこのように呼んでいるのです。 |
腰痛対策の体の使い方立ち上がりの腰痛結論:軽く腰を落とすと立位の腰の痛みが和らぐ 着替え結論:腰をかがめないこと。座って着脱する 中長期的観点でのトイレ・排泄結論:トイレに手すりをつけると排便が楽 意識だけでできる対策結論:片時も腰痛のことを忘れないこと |
対応対処「対応・対処」カテゴリーを11個に区分しました。 ⑤-1医療機関の対処① ⑤-2薬 ⑤-3手術関連 ⑥ケア ⑦手技 ⑧-1腰痛対策 ⑧-2腰痛対策② ⑪食事療法 |