腰痛治療では温めることを良いとする説や冷すことが良いとする説など諸説あり判断に困ることがあるが、そのときどきの時系列に沿って変遷を辿っており、文献の出版年月を辿ると説に矛盾点がないことが分かる。最初は『全て冷す説』から始まり、次第に『初期は冷して慢性期に温める』とされ、『気持良い範囲に留める』という説に変わり、最終的に2016年時点では『38度~40度の熱で15分程度温めることが良いとする』説が新たな主流になった。
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腰痛治療で真剣にさまざまな文献を何冊もご覧になられている方では文献によって腰痛治療には温めるのが良いという説もあれば、冷すことが良いとする説があったりと諸説あることにお気づきになられたことです。
「もう!一体どっちをすれば良いの?」
矛盾点に気がついた方はそのように思われることです。
確かに文献やテレビ番組、ネットでの治療家によっての意見など様々な説があり一般の多くの方では、矛盾を感じることがあります。しかし、こういった説は時系列(時流)によって主流となる説は日々変化しており、詳しく文献をご覧になられている方がその出版された年月を記録しながら時系列を追って行くと矛盾点がなく、主流となる説が変遷しているのだということに気がつきます。つまり文献を出版したときに最も主流となる説を紹介しているのであり、その変遷には理由があるのです。今回は2016年時点での主流となる説に基づいてこれまでの変遷についてお話して行きます。ユークル整体院のページ数は全部で相当数に及びますので数十年前に執筆した記事を全て修正することは不可能です。そのまま放置されております。ホームページ全体をご覧になっていただくだけでも矛盾点がすでに生じてはいるのですが、それはその当時の説を反映しているものだと思ってください。
そもそも腰痛治療ではかつてから温めることと冷やすことの有効性について色々といわれてきました。2000年ぐらいまでは腰が痛ければ全て冷せということが文献や学説の主流でした。一部の民間療法の説で温泉に入ることで腰部疾患の中でも坐骨神経痛はあたためると症状が和らぐとされてはおりましたがそれは学説ではなく単なる昔から伝わる伝統医療の一種であり、学説としては「冷せ!」というのが普通でした。その当時は医者でも治療家でも「温めろ」と口にしようものならば冷たい目で見られる方が多かったのでだれもが「冷せ」と口にしたものです。
ではなぜそうすることが良いとされたのかと申しますと緊急医療の現場で「LICE処置」という言葉があり痛いときにはLICE処置の一つである冷すことが良いとされたからです。医療系の学校や体育系の学校では今でも冷すことが良いと指導が1本化されております。また、図書館ではそのぐらいの時期に出版された文献は数多くあります。一般人の多くに冷すことが良いと思われる方は大勢おられます。
ところが全てを冷すとする説には欠点があり、やはり坐骨神経痛だったり一旦慢性化した腰痛の治療には逆効果となる報告が多数見られるようになりました。炎症が強いときに冷やすことは痛みが沈静化されて炎症が鎮まるから良いです。ところが慢性期になると炎症が鎮まって患部に血流障害が発生するようになります。血流障害を起こしている部分を冷すと血管が収縮して余計に血流が悪くなるため治癒が長引いてしまうことが次第に明らかになったのです。
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全て冷す説は次第に廃れて文献で紹介されることは少なくなりました。少なからず近年出版される文献でそのように記されるものは少ないはずです。
ではその代わりに登場した説は何なのかと申しますと2010年ぐらいに登場した説が、初期は冷して、炎症が鎮まったら徐々に温めることが良いという説です。
確かにこの考えには誤りはありません。「全て冷す説」の慢性期の治癒の長期化はこれによって防止できます。
ところがまだまだ不十分です。一般の方にケースバイケースは判断しずらいものです。例えば「炎症って何なの?」というそもそもの基本的な医学知識を持ち合わせている方は少ないです。二つの方法を一般人が状況を判断して取り入れるとても難しいです。
また、冷してから温めることが良いとする説では、医学知識を持ち合わせていない方では極端な対応に陥ることがたびたびあります。例えば専門家に患部を見てもらわずに雪国で凍傷を起こしているような腰痛のケースであっても「初期は冷せ」と記すととても危険です。凍傷した患部をガンガンと冷すことで患部が壊疽することもあります。また、温めることが良いとする説でも今度はスーパー銭湯に行って何時間も湯船に浸かったりサウナを浴びたりと極端な対応をされる患者様が続出されるようになりました。
ではそういった極端な対応を防止しつつ安全性を保ち、患部の状態を良好に保つためにはどうしたら良いのか?ここで言われるようになったのがごく最近に登場した「気持よいと思える範囲のことをする」という説です。冷す・温めるというと「ではどれぐらいやれば良いのか?」
という判断基準が不明確です。また医療知識の無い人には患部の状態がどうなっているのか?など分かりません。
しかし、本人が冷してみたときに
「あぁ~気持良い・・ 」
とか温めたときに
「心地よい」
と言う感じで気持良い範囲に留めていただくようにすれば医療知識の無い方でも難しい判断をする必要はありません。
事故を起こすことも少ないです。
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しかし、やはり「気持よい」だけでは不明確です。「気持良い」とか「痛い」とか「冷たい」・「熱い」という感覚情報は万人に共通する感覚ではありません。例えば糖尿病や認知症、感覚障害をお持ちになられている患者様、感覚過敏な人もいれば感覚に鈍感な人もおります。また、ある時期は冷して・一定期間が経過したら温めるなどという不明確な判断は一般人にはできません。出来るだけデメリットがなくそれでいて簡単に取り組む方法が求められます。
そこで登場したのが「38度~40度の温度で15分程度温めることが良いとする説です。」
ある時期は冷してその後温めるという不明確なものではなく最初から温めることに1本化すればだれでも取り組めます。また、気持よい範囲などという判断基準が人によって分かれるものも相応しくはありません。しかし、「40度を15分」ということで数値化すれば誰だって分かりますし、感覚障害を患っている方でも火傷や凍傷などのリスクなく取り組むことができます。
こういった説が2014年ぐらいからチラホラと文献によって見受けられるようになったわけです。今後も変遷はありますが、あえてこのサイトでは修正や加筆はしません。矛盾点に気がつかれた方は
「あぁ~そういうことなんだな・・」
ぐらいに思っていただければ幸いです。
緩和処置結論:体の抵抗力をつける 温熱療法結論:温めると細胞の働きが活発化する (入浴は別カテゴリー) お風呂の腰痛治療効果お風呂の弊害結論:患部に染みて痛みが悪化する人もいる。 入浴で気をつけること結論:強い痛みのときには入らない。 アイシング結論:冷やすことは治療よりも鎮痛効果が期待できる 間違ったケア結論:楽なことは体にとって必ずしも正解ではない 予防策 |
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