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軽いぎっくり腰で気をつけること

軽いぎっくり腰

ネット上では『軽いぎっくり腰』と検索する数が意外にもあり、放っておいても治らない軽い痛みに悩む患者が多い。大部分は些細なものだが稀に、腰椎分離症・腰椎分離スベリ症・椎体圧迫骨折でも同じ訴えをする。症状の程度と痛みの度合いは必ずしも一致しない。派手な訴えでもすぐ改善される仙腸関節機能不全もあれば、軽くても1ヶ月以上痛みが続くケースもある。子供の頃や高齢者の腰痛には十分に注意しよう。

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ネット上に存在する意味深なキーワードである『軽いぎっくり腰』や『軽い腰痛』という『軽い』状態についてです。検索数を見ていると、ちょくちょくと見受けられます。

軽いならば放っておいても良くなるはず。

腰痛には程度があります。それこそ治療院に駆け込んで施術を受けることで改善されてしまうレベルもあれば、手軽に湿布で緩和するもの、撫でる程度のセルフマッサージで治ってしまうもの。3日寝て過ごして解消されてしまうもの。御手洗いすら行けずオムツを余儀なくされる重度のぎっくり腰。痛みはないけれども漠然と不安を抱き続ける高齢者など実に様々です。

軽い症状の訴え軽いと仰られる方の感じ方はきっとこの図のように日常生活にはさほど支障はないのですが、気になってしまう。痛みが出たときも顔が苦痛で僅かに歪む程度では?

ここでの問題は、そもそも本当に軽いものならば放っておいてもすぐに良くなることです。つまり、はじめから検索しようともせず寝て過ごしたり、安静にして様子を見ることが普通。そういった初期処置で改善されないため検索をされるのが通常の流れ。

訪問された多くはそういった事態とは少し内容が異なるため辿りついたのではないでしょうか?

もちろん大部分は些細なもの

もちろん、大部分はご想像の通りで単なる血流低下による不具合だったり、肉体労働やスポーツ、長時間腰掛けて過ごすことで疲労を蓄積しているもの。寒さによる腰の冷え、衰えて弱くなっているもの、僅かな炎症など些細なものがほとんどです。

腰の疲労

大部分は放っておいても治りますし、数日間休めばスッキリと楽になります。しかし、稀にですが例外もあります

重要なこと、症状の程度と痛みの度合いは必ずしも一致しない

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ここで大切なことを申し上げますと症状の程度と痛みの度合いは必ずしも一致しないということです。

例を挙げます。

極度な痛み図のように目を丸くして苦痛を訴えたとしましょう。

きっと『骨が折れてしまったのでは?』、『腰椎椎間板ヘルニアでは・・』とお思いになられることです。

そして丸っきり身動きがとれず寝たきりを余儀なくされてしまうもの。それが当たり前の考えです。そこに異論を挟むことはないはず。

軽い痛みそして、こちらの図のようにちょっとした痛みを訴えている元気のなさそうな表情、僅かに顔をしかめる、ションボリしている、それほど変化を外見から感じることができない方が居れば、軽いと考えます。

この考えは災害や交通事故の救急医療の現場では当てはまる部分が大きいです。ところが臨床の治療院にやってくる患者様、日常で見かけるものには必ずしも当てはまらない部分があります。

苦痛に顔を歪ませる患者が30秒以内に完治することは多く、仙腸関節機能不全によるものがある。

どういうことなのかと申しますと、例えば上図の苦痛に思いっきりゆがめたケースでは骨折やヘルニアを想像するものですが、そういったものでないことがあり、実際には仙腸関節という骨盤の引っかかりによるものが多いです。引っかかってロックされることを関節機能不全と呼びます。

仙腸関節仙腸関節で引っかかるとこの部分で受け止めている負担が背骨に波及して多大な痛みを引き起こすことがあります。

ど派手に訴えて丸っきり身動きが取れませんがほんの30秒程度の簡単な処置でスッキリと完治されてしまうことは多いです。

軽い訴えでは腰椎分離症や腰椎圧迫骨折、腰椎分離スベリ症のこともある。

逆に軽い訴えでは症状としては軽いもの、ちょっとした血流障害や筋肉のコリと思えてしまうことはあります。もちろんそういったケースが99%ですが、中には腰椎分離症、腰椎スベリ症、腰椎圧迫骨折もみられます。

腰椎分離症代表が腰椎分離症という骨折。

腰椎分離スベリ症分離症によって折れたところで離れてしまったのが腰椎分離スベリ症

腰椎椎体圧迫骨折腰椎の椎体圧迫骨折

こういったものも軽い痛みを起こします。

特徴:大きな事故や怪我のキッカケとなる動作がない

酷いぎっくり腰として認識する大きな痛みは重たい荷物を持上げる、何らかのキッカケを伴うことが多いです。ところが軽いものになるほどそういったことは少ないです。

例えば椎体圧迫骨折の場合は尻餅で発生することが多いですが、骨粗しょう症の高齢者ではいつの間にか脆くなって体重を支えきれなくて折れてしまうこともあります。

子供でも同じ。本人からすればいつもと変わらないスポーツをしているつもりです。ところが成長期で骨が未完成であるため度重なるダメージによって少しずつ裂けて骨折していることがあります。まったく無自覚で、ある日なんとなく痛みが始まって、ジワジワと継続的に出ることが多いです。

若年者か?高齢者か?

軽いものを実感している方でこういったケースを判断する上では若年者か?高齢者か?がポイントです。骨の未熟な18歳未満で訴えれば腰椎分離症、高齢者であれば骨粗しょう症を背景とした圧迫骨折を考慮する必要はあります。

少なからず治療家であれば子供と高齢者が痛いと訴えたらこの2つがポンと頭に出てくるのが常識。精密な検査をするかしないかに関わらず、まずこの2つの存在を絶対に疑う必要があるほどです。

痛みはあるが日常生活は過ごせる

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また、これらの場合は一般的に痛みはあっても日常には全く問題がないことがあります。

スタスタ歩く中学生例えば実際の腰椎分離症では、元気な中学生がスタスタ
『腰が痛いです。こないだの練習の後からなんです。』
と言いながらやってきます。理学検査(徒手検査)をしてもそこまで目立った兆候を示しません。初めて見た先生はきっと
『あぁ~練習やりすぎなんだよ』
と答えて98%は看過することです。

ところが日常には問題が無くてもハードな運動をするとやっぱり痛くなるわけです。

激しい運動

受傷から1ヶ月経っても痛い

また、典型的な特徴としてはやはり患ってからすでに1ヶ月経過しているのに痛いことです。通常の派手なものであっても10日程度で随分と治まります。

発症から数日間様子を見て改善しなければレントゲンを撮影してと精密な検査をするのが一般的な流れですがつい、自己流の判断で対処するとそういった誤りをすることがありますので気をつけましょう。

中年ならすべり症を患う。分離症から由来する。診断を受けていないものが多く、子供の頃に1ヶ月以上続く腰痛があったかが決め手となる。

また、中年でも1ヶ月以上続くときには腰椎分離スベリ症を疑うことが大切です。これは子供の頃に分離症を患った経験の有る方が中年期を迎えると分離した骨がズレて腰に痛みを引き起こすものです。

本来ならば子供の頃に発見して早期に治療をしていればくっ付くのですが、見過ごしてしまうと折れたまま治癒期間を終えてしまい、くっ付かなくなってしまいます。くっ付かなくても筋肉が発達する成人期には全く問題なく過ごせるのですが、40代後半に差し掛かって来た頃に筋肉が衰え始めると分離した骨がずれて引き起こします。手がかりとしてはやはり子供の頃の腰痛の既往歴です。これといった治療を受けてはいないのですが1ヶ月ぐらい悩んだ経験の有る方は意外にも分離症を看過されている可能性があり、今現在滑り出しているのかもしれません。

看過されやすい理由、マッサージやストレッチで腰椎が安定すると消失する

また、看過されてしまう一番の原因としては、多くが痛みを訴えて最寄の治療院に駆け込んだときにマッサージやストレッチを受けてしまうことに一因します。

折れているならば手技で患部の筋肉を柔らかくしても、折れているのだから揉んでも痛みは改善されないだろうと思えてしまうものです。

もちろんマッサージを受けることでくっつくことはありません。ところが筋肉の緊張が弛むと若干ですが腰椎が安定して痛みが消えてしまうことがあります。

例えば真っ直ぐ立っている状態が下図だったとしましょう。

腰椎の彎曲と腰の筋肉真っ直ぐ立って背骨が元々持っている緩やかなカーブが保たれている状態です。

このときには適度に腰の筋肉が緊張をします。この状況であれば仮に部分的に折れていても痛みはそれほど伴いません。折れている部分に何らかの刺激が加わるから痛くなるわけです。

疲労により腰の筋肉が短縮してカーブが強くなるところが疲れてくると段々と後面の筋肉が疲れて短縮を起こします。するとカーブがキツクなります。するとそこに刺激が働きますから痛みが出るわけです。

マッサージで緩めると一時的にカーブが緩やかになって治まります。ストレッチで伸ばしても弛みます。だからこそ骨折ではなく疲労として見過ごされてしまうわけです。

もちろんこのことをしっかりと理解して対処療法としてこういった治療を受けることは有意義です。しかし、疲労と勘違いして折れているにも関わらず場当たり的な治療をしておりますと適切な機会を逃してしまいますので結果的に悪化することもあります。初期に判断して骨折としての治療を受けることはやはり不可欠であると言えます。

痛みの強さとは障害される神経のタイプによる

ではどうしてこのように酷いのに軽いことがあるのか?逆に簡単でも激しいケースがあるのか?ということになるのですが、痛みの強さは障害される神経のタイプによって異なると思ってください。

C線維とAδ線維

痛みは一般的にC線維とAδ(デルタ)線維という2種類の神経を伝わって脳に送られて認識されます。

CとAδは対比したときに図ぐらい太さに違いがあります。(図は例で、実際の太さではありません。)

細いC線維が障害されればジクジクと軽く訴えます。太いAδで伝われば強く訴えます。

C線維とAδの違い皮膚の断面図です。CとAδは近接したところに存在します。細い方が障害されるのか?それとも太い方が障害されるのか?この違いが度合いを決めているわけです。

衝撃やダメージの大きい交通事故や災害では皮膚面から大きく、えぐられるように衝撃が加わるためAδもCも両方ともに障害されて派手に訴えます。ですから救急現場では訴えと症状はほぼリンクしていると言えます。

Aδは関節に多く、Cは骨幹に多い

また、症状としては軽いものでも痛みが大きくなってしまうケースや、重たいものでも軽くなってしまう一因としては、AδとCの分布する比率にも関わってきます。

一般的にAδは関節の周辺に多く、C線維は骨の幹(骨幹)に多いです。

AδとC線維の分布図でいうところ関節の周囲にAδの比率が多くなります。骨の幹に当たる部分ではCの比率が高くなります。このため腰椎圧迫骨折や腰椎分離症では『軽い』と表現されることが稀にあるわけです。

これに対して僅かな仙腸関節の引っかかりの機能不全は簡単に処置してあっさり完治するのですが派手に訴えてそれこそ身動きが丸っきりとれなくなるわけです。

軽いのか?重いのか?ということではなくキチンとこういったアドバイスをすることができる先生を受診して治療を受けることが必要です。

それでは最後までご覧になってくださいましてありがとうございました。

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