ヤコビー線

結論:左右の腸骨稜を結ぶ線のこと。第四腰椎と第五腰椎の間です。

ヤコビー線とは左右の腸骨稜を結ぶ線のことで、その高さに第四腰椎と第五腰椎があります。この位置は腰痛の好発部位で、腰椎穿刺などにも用いられます。

◆ヤコビー線についてまとめます。

  1. ヤコビー線を知る理由腰痛の好発部位である第四・第五腰椎間を知るのに有効です。
  2. 場所左右の腸骨稜を結ぶ 延長線上
  3. 知るメリット①患部への直接的アプローチ 好発部位にピンポイントで効果的にアプローチできます。
  4. 知るメリット②患部の近接部へのアプローチ 患部の近接部位に対して処置すれば安全に効果を導くことが出来ます。
  5. 知るメリット③罹患部位の回避 罹患しやすいところが判断できないと意図せずヘルニアを悪化させてしまうことがありますのでご注意。
  6. 実用例鍼灸治療や整体では良く用いられます。 また、腰椎穿刺といって脊髄液の検査をするときに脊髄を傷つけないために用いられることもあります。
  7. 調べ方左右の腸骨稜を結ぶ高さにあるわけですが、左右の骨盤の突起の上前腸骨棘を最初に見つけ出してそこから後方に骨を手繰って行くと頂点にあるのが腸骨稜です。
  8. 呼び方一般的にはヤコビー線ですが、日本国内の表現であり、ジェイコブとかヤコブとかジャコブなど英語上の発音は様々です。
  9. セルフケア足の多くの症状で足そのものにケアをしても効果が見られないものではこの部位に対してケアをすると症状が緩和するものもあります。

ヤコビー線を知る理由:腰痛の最大の好発部位は第四・第五腰椎間

第四・第五腰つい

腰痛の最大の好発部位は第四・第五腰椎です。
それは図で言う所の、背骨のもっとも下段。
なぜこの部位に好発するのかと言うと、上半身の重量が最も集中する場所だからです。大腿骨のように2本あるわけではありません。
1本しかない腰椎の最下端だから重量が集中して腰を壊し易いのです。
そして、2番目に第五腰椎と仙骨の境目の腰仙骨関節です。
この二つだけで腰痛の9割型の好発部位を知ることができます。
ところで、第四腰椎と第五腰椎の場所をどのように調べるべきなのか?
それが腰部骨格のランドマークのヤコビー線です。
ヤコビー線ではこの第四腰椎と第五腰椎の高さを知ることが出来ます

メインメニューに戻る

ヤコビー線の場所

しかし、そもそもどうしてヤコビー線の場所を知る必要があるのでしょうか?
いち早く好発部位を知りたい。
正確な治療がしたい。
など様々な考えがあることでしょう。
しかし、多くの方は腰部骨格を以下のように考えているのではないでしょうか?
骨盤の上にある腰椎の誤解

そう、「骨盤のすぐ真上に第五腰椎がある」って多くの治療院の先生でも勘違いしていることはとても多いのです。
ところが第五腰椎と第四腰椎は骨盤の中にあるんです
実際の第四・第五腰椎は骨盤の中にある
左右の骨盤の頂点(腸骨稜)の間に第四腰椎はあるんですね。ヤコビー線はこの腸骨稜を結んだ延長線のことです。
ヤコビー線は概ね第四腰椎~第五腰椎の高さを示します。もちろん個人差は多少あって腰椎の大きさがもともと小さい人や大きい人ではヤコビー線の上下にランドマークが多少偏移しますがそれでも概ねは当たっているんですね。

メインメニューに戻る

ヤコビー線を知るメリット①患部への直接的アプローチ

つまり、第五腰椎と第四腰椎は骨盤の中にある。
ところが多くの治療院の先生はそのことを知りませんから、骨盤のすぐ上のことを第五腰椎だと考えているケースはとても多いです。また、セルフケアで腰痛治療をしている方々の多くも自分では第五腰椎や第四腰椎に対してアプローチしているつもりだけど実際には第三腰椎や第四腰椎にばかりアプローチしていることがあるのです。

最大の好発部位である第四・第五腰椎にアプローチ出来ていないため腰痛が治癒しないこともあるんですね。

メインメニューに戻る

ヤコビー線を知るメリット②:腰椎椎間板ヘルニアなど、近接部にアプローチ出来る。

また、腰痛の好発部位である第四・第五腰椎間を知ることは、直接的なアプローチ法だけでなく間接的なアプローチ法を知ることにもつながります。例えば腰椎椎間板ヘルニアを患っている患者に対して、直接的に患部である第四・第五腰椎間に刺激を与えることは患部の炎症を悪化させる可能性があります。ヘルニア箇所である第四・第五腰椎間を刺激すれば悪化は免れません。

ところがキチンと患部を見極めているなら、ギリギリの第四・第三腰椎に対してアプローチすることが可能です。患部を直接的にアプローチできなくても間接的に隣接箇所を治療することで可動域を向上させれば、患部に直接の影響を与えずに腰痛の改善を図ることが出来るわけです。

メインメニューに戻る

ヤコビー線を知るメリット③:罹患部位の回避

②と重なってしまう内容ですが、やはり、多くの方が「骨盤の真上にある椎骨が第五腰椎である」と思い込んでしまっていることでしょう。すると、腰痛の患者さんでは自分では第四・第五腰椎に対してアプローチするつもりはないのですが、知らずして骨盤をケアするはずが腸骨稜の高さにある罹患部位を刺激して、腰痛を悪化させてしまう、いわゆる地雷を踏んでしまうこともあるでしょう。こういった知らずして腰痛の悪化を防止するためにも患部の正確な位置を知るためには必要です。

メインメニューに戻る

ヤコビー線の実用例:代表的なものが腰椎穿刺

次にヤコビー線の実用例です。腰痛の好発部位がこの高さの付近だということはお分かりいただけたことだと思います。多くの手技療法家達はこのランドマークをおおよそで判断して罹患部位の高さを推測します。東洋医学でいう点穴もこのヤコビー線の付近に幾つも存在します。また、幾つかの麻酔治療や神経根ブロックでもこのランドマークを用いますし、脊髄の病気である髄膜炎と呼ばれる病気でも、ここから注射針を差すことで脊髄の髄液と呼ばれる液体を採取する腰椎穿刺という検査に用いられることがあります。脊髄を穿刺するときには適当に脊髄に注射針を差すと脊髄の神経を傷つけてしまい相当な痛みを伴います。また、患者さんの体の負担も大きいです。しかし、ヤコビー線の高さには脊髄が届いておらず脊髄は背骨の第二腰椎の高さ付近までしか届いておりません。ヤコビー線を目印にして腰椎穿刺を行うことは安全性高く脊髄液を採取することが可能になります。ぎっくり腰などでもこの部位に触って痛みの反応が出る圧痛点を見ることがとても多いですね。この圧痛点の有無が罹患部位の正確な判断にとても重要となるのです。

メインメニューに戻る

ヤコビー線の調べ方

次にヤコビー線の調べ方についてです。ヤコビー線は左右の腸骨稜を結んだ高さのことですが、そもそも腸骨稜を触診できなくてはなりませんよね。

このときの触診方法についてです。

上前腸骨棘

図は、体を左側面から見ている図です。向かって左が前、右が後ろ側。すると前方に突き出した骨突起の上前腸骨棘を頼りにして後方まで手で手繰っていった頂点にあるのが腸骨稜です。この腸骨稜を左右で結べばヤコビー線になるわけです。

メインメニューに戻る

ヤコビー線の呼び方

次にヤコビー線の呼び方についてです。ネット上を検索すると様々な呼び方があるようです。以下のような呼び方がありますが、全て英語の発音上の都合であって意味するところは同じです。日本語で表記すると如何しても変な呼び方になってしまうのです。

  1. ヤコビー線(一般的)
  2. ジャコビー線
  3. ジェイコブライン
  4. ジェイコブ線
  5. ジャコブライン

うん・・私達の多くが発音している「ヤコビー」って呼び方がそもそも間違っているのかもしれませんね。正しい発音はジェイコブラインなのかもしれません。

メインメニューに戻る

ヤコビー線を使ったセルフケア

次にヤコビー線を使ったセルフケアについてです。ヤコビー線は第四腰椎と第五腰椎の間、多少の個人差はありますが第四腰椎のどこかしらの高さが当てはまります。この付近の腰椎の高さからは様々な骨盤や足に巡る神経の出発点となっております。そのため、例えばこれまでに足の不具合を感じている方、足の冷えを感じていたり、頻繁に足が攣ってしまうなどの足の不具合。足が疲れたり、足先が痒くなるなどの多岐に渡る病気をお持ちになられる方では、様々な診療科を受診されていたことでしょう。例えば痒みがあれば皮膚科を受診したり、ヒフのただれや足が攣るようなことがあれば整形外科、内科、アレルギー科など。ところがこのヤコビー線付近に対して温罨法(レンジなどで軽く温めた濡れタオルを腰に当てる)の治療法を用いることでそれらの症状が軽減することもあるのです。こういった腰に対して処置することで足先の症状が軽減するようなケースでは腰部から由来する足の症状であることがあるんですね。もちろん、セルフケアの実施は必ず掛り付け医に相談し安全性に十分な配慮をしたうえで実施してください。あくまでも自己責任で行うようにしましょう。

メインメニューに戻る

腰痛と背骨の構造的要因

結論:腰痛の9割は第四・第五腰椎の間で起こる

後縦靭帯の損傷は体幹前屈によって起こる

腰椎で最も損傷しやすい箇所

腰痛と椎間関節

結論:腰を反らして痛める

椎間関節炎による腰痛

椎間関節炎による腰痛はほんの僅かにも動けないほど痛い

腰痛と関節軟骨関節症

結論:グルコサミンでは治らない。軟骨は運動で強くなる。

軟骨組織とぎっくり腰

腰痛と軟部組織障害

結論:痛めた靭帯は受傷直後しかくっつかない

ぎっくり腰で靭帯損傷とは?

靭帯損傷によるぎっくり腰の最大の特徴

棘上靭帯炎による腰痛

腰椎分離症・すべり症

結論:子供が腰痛になったらまず疑う。発症したらスポーツを休ませる。

腰骨のズキッとしたズレと、ヌルっとしたズレは?

背骨の構造

結論:背骨の構造の変化は腰痛の原因ではない

腰椎

拮抗筋の役割と胸椎との関係

腰椎の前方と後方への動き

背骨の変形

結論:変形自体は腰痛には関係しない。

ぎっくり腰で変形性脊椎症は?

ぎっくり腰とヒンジの歪み

腰痛と骨盤

ぎっくり腰で腸骨が痛くなる理由は?

ヤコビー線

子育て中のぎっくり腰は骨盤筋をほぐそう

腰椎捻挫と骨盤の水平回旋。

原因別

「原因」カテゴリーを、さらに区分します。

きっかけ

腰痛メカニズム

持上げ動作

力学

筋肉

内科

骨格

その他

※最近更新しているブログです。
https://gikkurisennmonn.blog.fc2.com

総合案内
クリックで展開

施術案内
クリックで展開