ぎっくり腰専門

重たい物を持つ仕事で腰を痛めないためには

重たい物を持ち上げるときには腰を落として足の力で持ち上げる。持ち上げ動作は立ち上がり動作と類似する部分が多く、下半身はジャッキをイメージし、上半身は風船をイメージする。腹圧を高めることで胴体を安定化して、足全体の力で持ち上げる。持ち上げ動作でも立ち上がりと同様に重心移動が生じる。

重たい物を持つ仕事で腰を痛めないためには』というテーマで皆様のお役に立てればと思います。では、最初から注意点ですが、当院がこれからご紹介するのは慢性腰痛など持病をお持ちの方を対象とした内容ではありませんので必ず掛かりつけ医に相談しましょう。

今回内容はあくまでも重たい物を持ち上げたときに発生する腰痛の防止を対象としているものです。物を持ち上げておらずとも慢性的に腰に痛みのある方を対象としたものではありませんので慢性腰痛がある方は必ず掛かりつけ医の指導に従うようにしてください。ここに書かれていることを守っても慢性腰痛の治療をすることにはなりませんのでご注意ください。

それでは腰を痛めぬためのいくつかの方法についてお話させていただきたいと思います。

近年では重たい物を持ち上げるお仕事というものは沢山あることでしょう。育児での抱っこ、介護での移乗、お米屋さんの配達、建築現場での工具や資材の運搬、土木作業での土砂やセメント袋の運搬、などなど様々な肉体労働が挙げられます。ではこれら様々なお仕事でどうやって持ち上げるべきなのかともう仕上げますと、

一番のポイントは腰だけで持ち上げるのではなく、下半身を使って持ち上げるということです。

ということになります。これだけでは良く分からないと思いますので、次の図をご覧ください。

持ち上げ動作図のAは良い例です。腰を落とし体全体を対象物に近づけ下半身の力を使って対象物を持ち上げようとします。ただ単純にしゃがむのではなく足や太もも、ふくらはぎ、さらにはお尻の筋肉を用いることが大切です。

下のB図は悪い例です。対象物から体が離れてしまっており、さらには腰の背筋だけで物を持ち上げようとしております。したがって胴体の力が対象物に伝わりませんし、腰に加わる負担が大きくなります。

また、対象物を持ち上げたあとも気をつけることがあります。

持ち上げたあと対象物を持ち上げたときには、それを胴体に密着させると握力の負担が軽くなり力が上手く伝わります。そしてAのように上半身をまっすぐのまま対象物の重量と膝を曲げる角度によって前後の重量のバランスがつりあうように物を抱かかえて保持していただくことが大切です。Bのように腰を反らしてしまいますと腰の負担が増大して腰を痛め易いです。

持ち上げるときは対象物を持ち上げることを意識するのではなく立ち上がる動作そのものであることを意識しよう。下半身をジャッキのようなイメージで用い、上半身は胴体の中の風船を圧縮するイメージを持ちます。

持ち上げるときの筋肉では、重たい物を持ち上げるときの細かい話になるのですが、この図をご覧になってください。A~Gまでの沢山の筋肉があります。順に主たる筋肉を上げさせていただきます。

  • A→大腿四頭筋(太ももの前面にあり、膝を伸ばしたり、股関節を曲げる作用を持っております。)
  • B→下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉です。膝を固定する作用を持ちます。足先が空中に浮いていれば膝を曲げる作用があり、足先が地面に固定されていれば脛の骨を後方に動かすことで膝を伸ばす役割を持ちます。)
  • C→ハムストリングス(腿の裏の筋肉です。太ももを後方に動かす(伸展する作用)、さらに股関節を固定する作用を持ちます。)
  • D→殿筋群(股関節を伸展させ、上半身を起こした状態を保持します。さらには骨盤位置を固定することで上半身に存在する腹腔の圧迫を補助します。)
  • E→腹筋(お腹の前面にあります。胴体内部にある腹腔を絞り込むことで腹圧を上昇させる役割を持ちます。)
  • F→背筋(別名で脊柱起立筋とも呼びます。上半身を起こす作用とともに、腹腔を後方から圧縮し、腹筋と伴に前後から腹腔を挟み込みます。)
  • G→肩周り胸周りの筋群(大胸筋や菱形筋、僧帽筋などといった肩や首周りの筋肉です。腹腔を上方から抑え付けて腹圧を上昇させます。)

腹腔とは風船のようなものであり、エアサスペンションのように腹圧を高め、胴体を内側から固定する

では、上の説明で何度か出てきた腹腔とか腹圧というものは何なのかと申しますと次の図をご覧になってください。

腹圧皆様も実際にやってみていただくと分かり易いと思いますが、まずは左図のようにお腹をデンと突き出してください。すると自然と胴体の安定性が悪くなることが分かりますよね。逆に右図のようにお腹を引き締めると胴体が安定したような感じがすることでしょう。これは胴体の中にある腹腔というものがお腹を引き締めることで腹圧が高まり赤い矢印の方向に胴体をまっすぐ保持する力が発生しているからなのです。そして、腹腔というものが先程の図で示した胴体の中の空間のことなのです。胴体の中の空間というものは肋骨などで外周りが固定されておりますが基本的には1つの空間のようなものなのです。厳密なお話をすれば横隔膜などにより胸部と腹部で空間が二分されておりますが、そういった細かい話はここでは割愛します。

持ち上げる筋肉胴体の中に存在する腹腔がD・E・F・Gによって四方から収縮されることで腹腔が圧縮されます。このときの圧力のことを腹圧と呼んでいるのです。このことから皆様が突き出したお腹をペコンと凹ましてお腹をカチカチにするのも腹圧を高めることであると言えるわけです。そして腹圧が高まると胴体を持ち上げて真っ直ぐのまま保持する力を生み出すのです。

腹圧を高めるためには、お尻を締め・肩を下げて脇を締め・腹筋を締め、背筋と腹筋で腹腔を挟み込む。

ではこの腹圧を高めるためにはどうしたら良いのかと申しますと、

  1. まずはお尻の大殿筋を締めます。
  2. 肩を下げて脇を締めて胸郭(肋骨)を固定します。
  3. 次にお腹と背筋で前後から腹腔を挟んで締めます

どうでしょうか?要するには簡単に申し上げれば腹腔を締めることが大切なのです。これによって上半身が固定されますので、腰骨を折り曲げるようなストレスを防止することができるわけです。

下半身はジャッキを想起する。

では、次に下半身の動きを説明して行くわけですが、このときに大切になるのはジャッキのイメージです。

車のタイヤがパンクしたときなどに車体を持ち上げるジャッキですが、実物はこのようなものです。

ジャッキジャッキはノズルを締めるとネジが締まって行き、上下に物体を押し離して重りを持ち上げます。人間の体においてもこの締める働きが大切なのです。

ジャッキのように足を使うではどうしたら良いのかと申しますと先ずはAのようにつま先を外に開き、肩幅よりもスタンスを広げ膝を曲げて腰を落として行きます。このときつま先が真っ直ぐ正面を向いているとジャッキのように締める力を働かせることができません。また足幅のスタンスが狭すぎるとバランスの都合上どうしても腰を落とせません。

そしてこの締める動作をするときには股の間に空気の玉があるとお考えになってください。

玉を挟んで潰す図のようにラインで描かれた玉があり、それをハサミで真っ二つに分断するように足全体で挟みこむのです。このときには、この挟む動作を司る、お尻、腿の前面・後面、ふくらはぎなどあらゆる筋肉を動員します。そして特に強く働かせなくてはならないのは腿の前面の大腿四頭筋となるのです。

持ち上げる動作は立ち上がる動作にも繋がる。立ち上がるメカニズムを知ろう。

ということで持ち上げる動作の仕組みはこれまで述べて来ました。つぎにこれに密接な関係のある立ち上がるメカニズムについて駒を進めて行きましょう。

腰を二つに折り曲げて持ち上げようとしている方は当然すぐに腰を痛めてしまいます。しかし、残念ながら、腰を落として足の力で持ち上げれば良いということをわかっていても腰を痛めてしまうことがあるのです。次はそれについて述べさせていただきたいと思います。このような方々は物を持ち上げるときに真上に物を持ち上げようとして腰を痛めることが多いと思います。しかし、実際には物は真上に持ち上げているのですが、必ず体は前方に動いているのです。というよりも体は物理的にいきなり真上には動かないようにできております

では立ち上がる仕組みを見ましょう。

椅子からの立ち上がりの図

  1. 普通に腰掛けている状態
  2. 足先を椅子に近づけます。
  3. 上半身を若干前傾にして頭が膝頭の位置に来ます。重心(バランスを取る中心点)を前方に動かして体重移動をします。
  4. お尻が持ち上がりますがこのときも垂直には持ちあがっておりません。斜め前方方向に持ち上がっております。
  5. 前傾にした上半身を起こしながらお尻を引っ込めて行きます。
  6. 起立姿勢です。

どうでしょうか?物を持ち上げるときというのは基本的に荷重が重くなって重心位置が前方に多少偏移するだけであり基本的には立ち上がる動作と非常に類似していることが分かりますよね。立ち上がるときであればお尻を斜め前方に持ち上げて行くイメージがありますが、どうしても重たい物を持ち上げるときには真上に持ち上げようと考えてしまうことでしょう。真上に持ち上げようとするからこそ重心が前方に移動しきれずに立ち上がれないのです

つまり、多くの方が腰を痛めてしまうのは真上に持ち上げることにこだわりすぎており、重心移動を終えておらぬのに無理矢理背筋を使って体を持ち上げようと頑張りすぎて腰を痛めてしまうわけです。これではどれほど頑張っても、どれほどの怪力の持ち主でも持ち上げることなどできるわけがありません。つまりしゃがみ込んで物を持ち上げるときには充分に膝に体重を移動したのを見計らって立ち上がらなくてはならないのです。そして立ち上がるときには体の前面の大腿四頭筋は勿論ですが、お尻の筋肉や太ももの裏、そしてふくらはぎの筋肉などを用いて体全体を前方へと動かすイメージで持ち上げることで結果的に真上に持ち上がるのです。

持ち上げた物を降ろすときにも重心(腰)を落とすことを忘れずに!

そして、持ち上げることだけにこだわってはいけません。もっとも注意していただきたいのは持ち上げたものを降ろすときなのです。

整体をご利用になられる患者様の多くは
『物を持ち上げたら腰を痛めました』

とこのようにおっしゃられます。しかし、実際はその証言は多くの場合が間違っており、私が見た限りでは持ち上げる瞬間に痛める人よりも圧倒的に降ろすときに痛める方が多いのです。なぜなら物を降ろすときには、突然力を抜くと重力によって加速が付くため、持ち上げるときよりも腰に大きな負担が加わってしまうのです。中腰作業で腰を痛める人もかなりの頻度でおりますが急性型の腰痛を起こしてしまう方は皆共通して上半身の落下する加速によって腰部を損傷してしまうのです。(注意:慢性型の腰痛の場合は若干メカニズムが異なります。)

勢い良く降ろす荷物を持ったまま上半身が落下している図。腰椎や周囲の筋群が瞬間的に過剰に牽引されて腰を損傷する。

上半身の前傾を深くするほど、重力の影響が大きくなり腰の負担が増大する。

次にお気をつけいただきたいことは上半身を前傾しすぎることです。先程の立ち上がる例では上半身が若干前傾しておりましたが、基本的には顔が曲げている膝頭のラインに来るぐらいまでの前傾に留めるようにしてください。これは前傾が深まるほどに重力の影響が大きくなるからです。重力の影響が大きくなると腰の負担が増大してしまいます。また、前傾は地面と水平になる角度が最も負荷が大きくなります。

前屈が深まるほど重力の影響は大きくなる。上半身が垂直の時がもっとも腰の重力の影響が少なく前傾になるほど重力の影響により背筋の負担が増えて行く

頭を下げると背中が丸くなるため腹圧を充分に高められない。頭を起こししっかりと顎を引きましょう。

次に気をつけていただくことはしゃがみ込むときに頭を前傾(前屈)させないことです。

首を丸めない図の左の人はしゃがみ込んだときに頭部を前屈させている図です。これでは頭部が水平になっている分だけその重さの負担がダイレクトに腰に加わってしまいます。頭部が右の絵のように胴体の中心線の延長上にあれば水平から遠ざかっているため腰の負担は軽減されます。

顎を引く

また、真っ直ぐのままから上半身を前傾したときにどうしても顎が突き出してしまい腰の負担となってしまいます。それを防止するためには顎を引く必要があるのです。顎を引くというのは様々な文献で引用されており非常に有益な情報なのですが、どの文献でもイラストなど使わずに文字だけで説明されており非常に誤解されやすいのです。ここで言うのは上図の×の人のように顎を後方回旋(頭部前屈)させることではありません。下段の○の人のように頭部そのもののポジションを後方に引くことを表します。このようにして顎を引けば、頚椎の自然な前彎曲が保てるため背骨全体が過剰な彎曲によるテンションの増大を防止し、衝撃負担に強い状態にできるのです。

顎を引くと頚椎が前彎曲となる。顎が引けていると頚椎に自然な前彎曲が生じる。背骨の構造上頚椎はは前彎曲しているのが一番強いです。

出来るだけ荷物を肩より上で取り扱わない

肩より高く上げるときには台をつかう戸棚などに物を持ち上げるときに関しましては重たい物を肩よりも上に持ち上げようとしますと、腰が反りすぎてしまい腰を痛めてしまいます。したがいましてできるだけ肩より上に持ち上げずに済むようにB図のように踏み台を使って高くに持ち上げずに済むようにします。

荷物を持ったときには背を伸ばした状態で腰を捻らない。できるだけ体ごと方向転換する。

物を持ち上げたときには背筋が伸びるはずです。このときというものは胸椎(背骨の肋骨の高さの位置)の水平に回旋(捻る)する動作が制限されてしまいます。

胸椎は回旋、腰椎は前後屈背骨というものは図で示すように肋骨の高さの胸椎部分で水平に体を捻る動作を担っており、腰椎(お腹の高さ)で前屈(前かがみ)や後屈(後ろに反らす)を行います。したがいまして背筋を伸ばして胸椎の動作がロックされているのにも関わらずさらに水平に腰を捻ろうとすると胸椎はそれ以上動かせませんので腰椎を痛めてしまいます。

腰の痛め方は3種類、1回で受傷するタイプと、度重なる動作で受傷するもの、翌日に痛みを発するもの。どのような方法をとっても負担が蓄積することで痛みを呈する。

重たい物を持ち上げたときの腰の痛め方というものは基本的には3種類あるとお考えになってください。

  1. 1回の動作で腰をグキッと損傷するもの(急性損傷)
  2. 何回か持ち上げているうちに痛みズキズキと現れるもの(亜急性損傷)
  3. 持ち上げたそのときには痛みは無いけれども翌日や2日後ぐらいになってから痛みを発するもの(筋肉疲労)

ぎっくり腰や腰痛などの防止をするためには、物をもちあげるときの方法について気をつければ急性損傷や亜急性損傷のリスクを減らすことができます。しかし、筋肉疲労からもたらされる痛みだけはどのように安全な方法をとっても疲労が蓄積すれが誰にでも絶対に起こるものです。こればかりは防ぎようがありません。しかし、こういった痛み方であれば慌てる必要はありません。疲労が解消されれば速やかに痛みが解消されることがほとんどです。

重量物の持ち上げでの腰部損傷①牽引型

では物を持ち上げたときに生じる腰部の痛みについて大まかに説明させていただきたいとおもいます。

一つ目は主に腰を前傾させたり前に屈めるときに生じるものです。

牽引型損傷

A図のように上半身を屈めたときに腰の筋肉を肉離れしたり靭帯を損傷するなどが考えられます。

重量物の持ち上げでの腰部損傷②圧迫型

2つめは腰を反らしたときなどに生じる圧迫型です。

圧迫型損傷図のように腰を反らした拍子に腰部の椎間板などを押しつぶしてしまったり、椎骨の表面に存在する骨膜などを強い力で打ち付けることによって炎症が生じます。この場合は立位姿勢を保つことができません。

重量物の持ち上げでの腰部損傷③回旋型

3つめは腰椎を回旋したときに生じる靭帯や関節包、と呼ばれる部分また椎間板などの損傷です。

腰の捻り先程も別のところで説明しましたが背筋の筋肉が緊張しているときに無理に体を捻ると腰椎の補強靭帯などを損傷しやすいです。

重量物の持ち上げでの腰部損傷④筋膜疲労型

最後がもっとも多い筋膜の疲労型のものです。繰り返しの動作によって翌日から、数日間かけて痛みが発生します。

筋膜型やはり重量物の持ち上げの際の腰の曲げ伸ばしの疲労の蓄積が関係しております。

重たいものを持ち上げる内容にも気をつけよう。余りも過酷な労働は疲労の蓄積によって腰を痛めることがある。

どんなに正しい方法を用いて物を持ち上げたとしても、やはり長時間その作業が続いたり、明らかに人手が足りなかったりすれば腰を痛めることがありますのでご注意ください。疲労が蓄積すると腰の動きが悪くなったり、精神的な集中力が散漫となって不注意による怪我をすることがあります。

持ち上げるときには『ヤー!』っと掛け声をかけよう、掛け声は脳の興奮性を高めるため、一時的に筋肉の潜在能力を引き出すことができる。

そして、おすすめしたいことが掛け声です。お年寄りが立ち上がるときや腰掛けるときなどには必ずと言って良いほど『どっこいしょ!』とおっしゃられることでしょう。あれはご本人がわざとおっしゃっているわけではありません。意図せずとも最大限の力を発揮しようとしたときにあのように声が出てしまうのです。

私達の筋肉は脳からの命令によって動いております。当然のことながら身内の死去など悲しいできごとがあれば放心状態となることでしょう。このようなときに重たい物を持ち上げようとして脳の興奮性が下がってしまい筋肉の潜在能力を引き出すことができません。つまり本気を出せなくなってしまうのです。

ところが『’どっこい!』とお相撲さんのように掛け声をかけていただくと、一時的にですが脳の興奮性が高まるので筋肉に対しての命令を強くすることができるわけです。つまり重たい物を持ち上げるときに掛け声をかけていただければ力が増幅されて楽に物を持ち上げられるため、腰を痛めずに済むのです。

脳の興奮性脳の興奮性と筋力の関係の図、脳の興奮性が上昇すると筋肉に対しての命令が強くなりますので力が増幅します。ところが脳の興奮性が下がると力が落ちてしまいます。力が弱ければ必然的に腰を支える力も弱くなって腰を痛めてしまうのです。

必ず胸を張ろう。肩を下げて両脇を締めると自然と大胸筋や背中の僧帽筋・広背筋が緊張し腹圧を上昇させ胴体を安定化させる。

背中を丸めず、胸を貼るそして次に大切になることが胸を張ることです。胸を張らずにいると自然とAのように背中が丸まってしまいます。すると腹圧を高めることもできませんし、上半身が水平に近づく分だけ腰の負担が増大します。

胸を張るときには両肩を下げて脇を閉じます。

大胸筋と僧帽筋と広背筋

すると胴体の前面にある大胸筋と背中にある僧帽筋や広背筋、深層の菱形筋などが胸郭をキュッと前後から締めますので腹圧を補助し胴体が安定するのです。

対象物から離れすぎないようにする。

持ち上げる対象物から体が離れないようにすると力が伝わり安いです。これは人や物、動物であろうとも基本的には同じです。対象物との距離が開くほど力が伝わりづらく手先の力だけで持ち上げることになりますので力学的に腰の負担が大きくなります。

なるべく体の移動を少なくする。

また、物を持ち上げるときにはできるだけ立ち上がったり座ったりすることが多くならぬように、台車の上に箱を置いて高さを作るなどしてしゃがみこまずに済むようにしていただければ足腰の負担は軽減されます。出来るだけ動作を少なくすれば腰の負担も軽減できます。

移動距離が多い動きと少ない動き

疲労が溜まり過ぎているときには持ち上げる動作はできるだけ止めよう。とくに下半身の疲労は腰痛を招き安い。

重たい物をもちあげるときですが、例えば睡眠不足や肉体疲労など体調が悪いときには絶対にやらぬようにしてください。また、持病をお持ちになられている方は必ず掛かりつけ医の指示を受けるようにしてください。

持ち上げるときにはゆっくりと

そして、物をもちあげるときですが、できるだけ弾みや反動、加速などを付けぬようにゆっくりと持ち上げることが大切です。勢いが付くと思わぬ怪我につながりますので、重たい物を持ち上げるときにはゆっくりと持ち上げることが大切です。

持ち上げる作業をするときは体を冷やさぬように充分に温かい服装をしましょう。

重たいものなど筋肉に無理な負担をかけるときには基本的には体を冷やさぬように注意しましょう。最近ではヒートテックなどの温かい下着類もあるようです。こういったものを活用して体温をあたたかな状態に保っていただければ体の強張りを防止でき、柔らかい状態を保つことができますので、関節動作のときの無理な力によって体が損傷することを防止することにつながるのです。

ダンボールを2つ以上運ぶときには重たい物を上にする。

持ち上げる物体がダンボールの場合はできるだけ箱の中に物を詰め込みすぎぬように小分けにするようにしましょう。また、ダンボールを複数個運ぶときには重いものが上に来るようにして軽いものを下にするようにすると重たいものはその荷重で安定しますのでバランス良く持ち上げることができます。

事前に必ず準備運動を行う、やさしい運動で代謝を高めて体温が上昇したのを見はからってストレッチを行う。体が冷えたままストレッチをしても無駄である。

また、良くある間違いが全く準備運動をせずいきなり重たい物を持ち上げてしまうことなのではないでしょうか?体が強張って固まっておりますと体の関節可動域が完全に動かすことができずに本来膝を曲げて腰を落とすべきはずが、膝を曲げきることができず、その分腰を前傾させてしまうことで腰を痛めやすくなってしまうのです。

柔軟性が低くなると腰が前傾する。本来ならば図の左の人のように充分に膝を曲げて腰を落とせば下半身の力で物をもちあげられる。しかし、太ももの筋肉が固すぎると膝を曲げきれずに伸びたままとなり、腰を前傾させねば物を掴むことができなくなってしまう。

また、近年の研究では運動前の体の完全に冷え切った状態でストレッチ運動などを行ってもあまり意味がないことが分かっております。20分~40分ほど軽い有酸素運動(ご自身の体力レベルに見合った運動)を実施していただくことで先ずは体温が下がりきった状態から代謝を高めることで少しでも温度を上昇させ、充分に体が温まって来たのを見計らってそれからストレッチを行ってください。ストレッチは充分に体を温めてから実施することで関節可動域を広げ、危険なポジションを防止する作用があるのです。

物を持ち上げる時間帯で最も良いのが午後の16時

また、物を持ち上げたときにぎっくり腰になり安い時間帯がありますので注意が必要です。もしも物を持ち上げる時間帯をご自分で変更したりスケジュールを決める権限があるのでしたらできるだけ午後の4時(16時)ぐらいに荷物を運ぶようにすると良いでしょう。というのも人間はもっとも体のエンジンの調子が良くなり力が強くなるのが起床後10時間後であると言われているからです。スポーツのトップ選手はこういった仕組みを良く知っており筋力トレーニングなどを意図的にこの時間になるようにスケジュール調整して実施するのです。また、オリンピック選手レベルになりますと、この10時間のタイムラグを利用することで大会の始まる10時間前に起床するのです。例えば午後の1時から大会が開催される場合は、午前3時にはすでに体を目覚めさせて最高のポテンシャルで10時間後を迎えられるようにして高いパフォーマンスを発揮することを可能としているのです。

この10時間のタイムラグが発生する理由というのは睡眠中に体内で溜め込まれたエネルギーを使い果たしてしまうからであり、それが補充されるまでにどうしても10時間を要すると言われているのです。皆さまも晩御飯から翌日の朝ごはんまで10時間以上時間が空いてしまうことはザラにあるでしょう。このタイムラグをどうしても短くしたいとお考えになられる場合には睡眠前にコップ1杯のプロテインドリンクなどを飲んでいただければエネルギーの枯渇した時間を減らすことにも繋がり、補充まで要する時間を短くすることができると言われいるのです。

物を持ち上げる上での適正重量を守ろう。『これぐらいヘッチャラだよ!』と言いながら平気で重過ぎるものを持ち上げていることもある。

そして、こういった重量物を取り扱う上で陥りがちなのは『重いのを持つことが出来る人ほど偉い』という職場の雰囲気です。私もかつてバイトで引越しを経験したことがありますが、やはり力自慢な人でなければパートナーから煙たがられます。かなりの無理な重量物でもそれぞれが我慢してどうにもならないものだけ2名以上で協力して運ぶという雰囲気がありました。そして、少しでも手際が悪かったりすると大声で怒鳴られてしまうわけです。したがいまして、必然的に無理を重ねてしまい腰を壊してしまうことなど容易に考えられるわけです。

重量物の挙上制限はきちんと存在する。余りにも重たいものはきちんと職場の上司に提言しよう。

引越し屋さんや現場仕事などでは無理を重ねることを是とする風潮がありますが、実は重たい物を持ち上げるに当たっては挙上重量に制限があるのです。法律的なものではなくあくまでガイドラインぐらいです。詳しくはこちらをごらんになっていただければよいかと思います。

こちらにかかれていることを概略しますと以下のようになるのです。

  1. 男性は体重の40%の重量までが良いですよ。
  2. 女性は体重の24%の重量までが良いですよ。
  3. 女性と年少者の取り扱いの推奨範囲はかなり狭いですよ。

つまり、ここで言われていることが目安となりますので、皆様がこれまで扱っている重量が重過ぎたりすることは充分に考えられるのです。人間が扱うべき重量を超えていれば腰を痛めてしまっても決して無理からぬことであると言えます。ですので、どうやって持ち上げれば良いのかという方法論だけを求めてもここで扱う重量を超えていれば腰を痛めることは充分に考えられるのです。

できるだけ取り扱う重量を箱などに明示する。

また、重量のガイドラインなどを皆さまがもしここで覚えたとしても、実際の重量物の取り扱いの場面でいちいちどの製品が、どの重量なのかを調べることは不可能です。したがってこれぐらいなら大丈夫だろうと意図せず重たい物を持ち上げてしまう可能性も考えられます。したがいまして、箱や重量物にその重量がどれくらいなのか明示してあると分かり安いです。そうすれば重さについての感覚の個人差などもなくせますし、あまりにも重たいものは2名体勢で行うなどの対応もできるわけです。

手かぎや吸盤などの補助具を用いる。

また、重たい物を持ち上げるときに腰を屈めたりしゃがみこまずに済むように補助具を用いていただくこともおすすめいたします。

手カギ例1:畳屋さんで用いる手カギ

吸盤ガラス屋さんなどで用いる吸盤(これを楽に持てて安定しますので腰の負担が軽くなります。)

適度に休憩を取る。

物を持ち上げる動作などをしたときには適度に体を休めて休憩をとりましょう。作業の合間に腰に溜まった疲労を解消することで、安全な状態を保つことができます。休憩時間の目安としては労働基準法に定められている通りで、6時間以上の労働ならば45分、8時間以上ならば60分、というのが最低限の基準となりますが、負担が重い場合はそれ以上の休憩時間を作業のスケジュールに事前に組み入れるなどして、疲労をできるだけ休憩で抜くようにしてください。

必要なタンパク質摂取量は体重1キロ当たり2グラム、重たい物を扱う方は意識的にタンパク質の不足を補わなくては筋肉が痩せて腰痛を起こしやすくなる。プロテインの摂取が必要、ゴールデンタイムを知ろう。

では、次に重量物を日常的に持ち上げる方の食事についてお話させていただきますと、やはり大切になってくるのが筋肉の材料であるタンパク質です。普通の立ち仕事や座り仕事ぐらいであれば三度の食事で充分事足りるのですが、こういった重たい物を扱われる方では筋肉の過度な使用によってダメージが蓄積されていってしまいます。こういったダメージは長期に渡って続くと筋力の低下や筋肉の削痩(痩せ衰え)を招きますので腰痛を起こしやすくなってしまいます。

また、タンパク質の摂取に関しましては常人であれば体重1キロ当たりにつき2グラムが必要であると言われているのですが普通の食事をしていれば彼らの場合は体内で合成できるタンパク質と食事で補うタンパク質で充分に事足ります。ところがこういったお仕事をされる方の場合はタンパク質の需要が増大しますので食事だけでは供給が追いつきません。また、コップ1杯の牛乳に含まれるタンパク質が僅か数グラムということなので必要所要量を全て通常の食事で満たそうとすれば必然的に脂肪や糖質など余計なものまで過剰に摂取することになり肥満を招いてしまいます。また、肉などで必要量分のタンパク質を補おうとすれば必然的に経済的な出費も大きくなります。ですからここではタンパク質成分だけが抽出されたプロテインを積極的に飲むことで経済的な負担も抑えることが可能となるのです。

また、プロテインの摂取に関しましてはゴールデンタイムと呼ばれるものがあり、仕事を終えてから30分以内にこれを摂取していただくことは非常に吸収率が早いと呼ばれております。迅速に摂取したタンパク質はすぐに筋肉の材料となってくれるわけです。ところが摂取のタイミングが送れてしまいますと、エネルギーの補充の適切なタイミングを逃してしまい、筋肉の中に取り込まれるタンパク質量は若干減ってしまうのです。

腹圧を高めるために腰部保護ベルトを用いる

そして、もしも持ち上げる際に腰に不安を感じる場合は腰部保護ベルトを用いましょう。腰部保護ベルトというものは下図のように

コルセット幾つかの種類がありますが、基本的には重量物の取り扱い作業ではお腹の腹圧を引き締めるタイプのAを用います。Bのお尻に巻くベルトは腹圧を高める作用はありません。また類似するものでCのようにプレートをふんだんに使っているものもありますが、これも用途が異なります。(注意:すでに腰痛をお持ちの方は必ず掛かりつけ医の指導を受けご自身の腰痛の種類にあった用途のものを用いるようにしてください。)腹圧についての説明はここでは割愛させていただきますがこのページを全てご覧になっていただければ必ずどこかに紹介されております。

介護などで利用者を経たせるときは立ち上がるときと同様に利用者の上体をやや前傾させながら持ち上げる。

持ち上げる対象物が物ではなく人の場合(例:介護職)の場合に関しましては相手を立たせるのであれば、必ず立ち上がり動作のときの前方への重心移動を行わせることを忘れぬようにしてください。相手の上体が真っ直ぐ起きているときに力ずくに真上に持ち上げようとしても絶対に持ち上がりません。相手を立たせるときも一旦前傾して体重移動をしてそれから斜め前方に立ち上がってゆくことを意識すると楽に持ち上がります。

車椅子への移乗では利用者を持ち上げながら腰を捻るのではなく、一旦立たせてから、腰を回す。

そしてベッドサイドに腰掛けている利用者を立たせて車椅子に座らせるときにはいったん先程の仕組みで立ち上がらせ、それから完全に立ち上がってから腰を捻らずに体ごと移動するようにして車椅子に体を向けて腰掛けさせます。

いきなり重たい物を持ち上げるのではなく、軽いものから段階的に持ち上げて行き、その日の腰の調子を知る。

また、重たい物を持ち上げるときにはその日の体調などを確かめながら持ち上げていただくことをおすすめいたします。例えば普段20キロの物を平気で持てるとしても勤務の最初にいきなり重たい物をもつのではなく最初はもっと軽いものから持ち上げて行きましょう。そうすることで予期せぬ怪我を防止することにもつながります。自分のその日の調子を知れば無理な力を発揮することでの怪我の発生の防止につながるでしょう。

作業の組み合わせの工夫

また、年末の大掃除のときのように荷物を運んだり、部屋を掃除したりと作業のバラエティーがあるときにはできるだけ作業の組み合わせを色々と工夫してみると良いでしょう。例えば荷物を運んでいて疲れたら、今度は掃き掃除をする。ゴミまとめをする。などのような感じが良いでしょう。幾つかの作業と重たい作業を組み替えることで腰を断続的に休めることができますので疲労を溜め込まずに済みます。

グリップ力のある手袋を用いることでしっかりと保持し、力の伝達を高める。

また、物をもちあげるときにはグリップ性の高いグローブ(手袋)などを着用していただくと握力の負担が減り、荷物が安定しますので力が伝わり易くなり腰に良いです。経済的な軍手の表面にプツプツが付いたものでも良いですが、手袋の中で生地がズルズルとずれて動き、力が弱まりますので今後も重たい荷物を扱われるのでしたら是非とも1つは丈夫で長持ちするものをご用意していただけると良いでしょう。

グリップ性の高い靴で踏ん張る力を高める。

サンダルやスリッパ、ハイヒールなどを履いている場合は足元の安定性が悪くなります。この場合は足元に力が入りませんのでどうしても腰を屈める姿勢になりがちです。そのままですと腰を痛める原因ともなり兼ねません。したがいましてグリップ性の高い靴を1つご用意していただければ足場が安定して腰の負担を軽減できるでしょう。

赤ちゃんをダッコするような抱かかえ方前後から腕で包み込むようにする。(オルネタイトキャッチ

対象物が物ではなく赤ちゃんの場合は、オルネタイトキャッチという前後から腕で挟み込むような持ち方をします。胴体と下からすくう側の手、上から抱える手の3点で赤ちゃんの体を保持しますので支えるのが楽です。この持ち方をすると力の加わる方向が3方向から均衡しますのでバランスが釣り合い楽に保持できます。首が座って折らぬときには絶対に下から支える手で頭を保持するようにしてください。(必ず実施前に掛かりつけの産婦人科医・小児科医と相談してください。)

オルネタイトキャッチオルネタイトキャッチ

また、抱っこしていて腰が疲れたときには、下図のように両手を台の上に乗せることで赤ちゃんの重さを腰で支えず台で支えるようにします。(赤ちゃんが怒らぬように機嫌を見ながら行うようにしましょう。)また、抱っこのように胸で抱かかえる姿勢ばかりが続くとどうしても腰が反ってしまいます。ときにはおんぶで後方に背負っていただくことで同じ筋肉ばかりに負担が集中しすぎぬようにすることが大切です。

赤ちゃんを支えるテーブル椅子に腰掛けてテーブルの上で赤ちゃんを支える。上半身が前傾しすぎぬように注意しましょう。

できるだけ小分けして運ぶ

運ぶときにはできるだけ小分けして運ぶことが大切です。一回の量が重いと移動の回数は少ないですが、腰の筋肉が負担に耐え切れぬことがありますので、一度に重過ぎるものを運ばぬように数回に小分けして運びましょう。

職場での専門的な教育を受ける

各職場で扱う荷物はさまざまです。丸いロール上のものもあればダンボールのような箱型のものもあります。動物のように暴れて動き回るものだってあるでしょう。ご自身の思いつきで勝手に持ち上げると腰を痛めてしまうことがありますので、必ず職場の先輩や上司に詳しいお話を聞いて、きちんと取り扱い上の注意や職場のルールを守って実施するようにしましょう。

付録:競技者用テクニック、伸張反射と物体放物線運動を応用した動き、一般人が用いるテクニックではありません。危ないですから絶対に真似をしてはだめですよ!

・・・・まったく関係ない話なのですが、重たい物を腰を痛めずに持ち上げるといことと無縁な、スポーツの競技者向けのテクニックになります。

重量挙げの準備重量挙げなどではわざとこのように上半身を前方に振って上体の前傾を強めることであえて加速をつけ(①)、そのときにゴムが引き込まれるように背中の筋肉がひっぱられ、その背中の筋肉の弾性力(ゴムが戻る力)を応用して一気にバーベルに加速を付けて持ち上げて行きます。このときというのはゆっくりと持ち上げたときにはない、筋肉の伸張反射という反応が現れるのです。するとこの反射が伸ばされた背筋に強い力で戻ろうとする反作用を与えるわけです。

また、物体を持ち上げたときにはボールを例にあげると

放物線運動このように放物線を描いて飛んで行きます。バーベルの場合は弧を描かず垂直に持ち上がって落っこちるだけなのですがボールを例にすると、この放物線の頂点に物体が差し掛かるとそのときには無重力状態となるのです。

重量挙げフィニッシュこの無重力になった針がさすほどのほんの一瞬のタイミングを見逃さずにバーベルを一挙に頭上に持ち上げるわけです。

どうでしょうか?腰痛防止の観点とは真逆のことをしているのが競技者達だったのです。では皆様くれぐれも絶対に真似をしてはいけませんよ。きっと大怪我をしますからね。

便利グッツ キャリーラクダ

おまけ・・・最近では何度かテレビなどで登場する便利グッツとして、キャリーラクダという物を二人組みで持ち上げるときに楽をすることができるようなものがあるようです。別のページで改めて紹介させていただきますが、引越し業者さんとか物流業者さんに人気があるようですね。日常的に重たい物を持ち上げるお仕事をされているのでしたら一度ご覧になっていただくことをおすすめ致します。イメージとしては2名の胴体に固定したハンモック型のシート上に荷物を載せることで握や腕の筋肉の負担を軽減できるようですね。

オススメ文献:『介護者のための腰痛予防教室』 著者:西山悦子(新潟大学医学部教授)

では、今回重量物の取り扱いについてで私がオススメする文献ですが、次のページで詳しいことが書いてありますが、おそらくはこのページをご覧になられている多くの方が介護職に就かれていることだと思います。この本は介護職をされている方で入社してから一度も腰痛の予防のための教育を受けたことがないという方にオススメの1冊となります。素人だったらきっと、意識せずにやってしまうだろう・・・という素人に陥りがちなミスや腰痛についての基本的な知識などが盛り込まれておりますので介護職のバイブルとしてもおすすめ致します。是非とも一度ご覧になっていただければと思います。

介護者のための腰痛予防教室

重たい物を持ち上げるためのコツのコラム対人編

さて、今回は私が柔道を経験した中で自分の体験として学んだことをお話させていただきたいと思います。先日は介護職の方がぎっくり腰になられてしまいました。整体を終えたときにこんな不思議なお話をされました。

「ご高齢者をいつもどおり持ち上げていたはずなのに突然痩せこけたお祖母さんの体が重くなって腰を痛めてしまったのです。これは一体どういうことなのでしょうか?」
ということでこれについて述べさせていただきましょう。

これに関しては多くの場合は力学的な要素が関係していると思ってください。

例えば柔道などの背負い投げに例えますと、相手の体の重心ヘソの下に瞬間的にもぐりこんで相手を背中に乗せることで投げ飛ばすことができるのですが、この投げ飛ばす動作をもっと楽に行う方法があり、それが相手に動いてもらうことなのです。また、相手に体を預けてもらい自分の背中に乗ってもらうことが非常に大きなポイントとなります。したがって上手い人ほど相手に足元を意識させ顔の位置を前傾にさせ重心を前のめりに崩した状態のときに相手を担ぎ上げるわけです。

また、わざと相手に後方に転ばすように意識を向けさせて相手が前方に立ち直ろうと踏みとどまったところを背負ったりするわけです。

では少し話を変えて、自分が投げられる立場だったとしましょう。どうしたらキレイに投げられることが出来て、どうしたら相手に投げられるのを阻止できるのでしょうか?それをお考えになっていただいたときにポイントになるのが自分の顔を向ける方向となるのです。

相手に投げられまいとお考えになったときには多くの方は自分の顔を迫り来る相手の背中に向けられることでしょう。ところが相手の背中の方向に顔を向けるほど顔は前傾になってしまい重心が前方に移動してしまうためにど派手に投げ飛ばされてしまうのです。したがいまして、柔道では防御の極意として「相手を目で追わないこと」が大切であると言われているのです。相手の動きを目で見て追いかけるのではなく、なんとなくの感覚で身をかわすことが必要なのです。逆に言えば自分が相手を投げ飛ばす立場であれば、相手にこちらを向かせることが必要になるわけです。物を持ち上げるときでも、これから持ち上げるぞ!と物体を覗き込むほど重心が前方に崩れて力が出せなくなってしまいますので持ち上げるのが難しくなると言えるのです。

つまり、これを介護に置き換えるのであれば利用者の方々に安心していただくようにコミュニケーションを意識して利用者さまと完全に向き合ってお互いに見合うようにしていただければ必然的に相手を持ち上げるのが容易になり、逆に言えば相手がこちらから目を背けてしまうように怖がらせてしまうことで重くなってしまうのです。

重たい物を持上げる仕事

  1. 重たい物を持つ仕事で腰を痛めないためには?持ち挙げるときに腰の力ではなく足の力を用いること
  2. 慢性腰痛ですが重たいものを持つ立ち仕事は?腰掛けて働くことができる事務員ならば痛めずに済みます。応募が殺到しますので、働きたくても働けるものではありません。整体で治療をしましょう。
  3. 女性が重たいものを持つ仕事はダメ?今現在の労働制度では女性と男性の腰のリスクについて理解している職場は少ない。女性が肉体労働で腰を痛めるリスクはとても高いためオススメはできない。
  4. セメント袋の担ぎ方のポイント担ぎ方そのものよりも現場仕事の雰囲気に問題がある。
  5. 仕事で扱うべきぎっくり腰防止の重量防止の荷物重量は男性は体重の40%、女性は24%まで。

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きっかけ①スポーツ、②生活場面、③交通事故・怪我、④家事労務、⑤クシャミ、⑥共通

腰痛メカニズム●原因概要、●腰痛メカニズム、●筋肉メカニクス、●ボディーメカニクス

ヘルニアヘルニア(●新説、●過去説、●運動、●きっかけ、●気をつけたいこと、●症状、●対応、)

椎間板、腰部脊柱管狭窄症椎間板(●腰痛と椎間板、●腰部椎間板)、腰部脊柱管狭窄症(●狭窄症、●症状、●対応)

坐骨神経痛①●坐骨神経痛、●筋トレ・運動、●筋肉、●判別が必要な病気、●股関節疾患の判別、●仙腸関節障害との関係

坐骨神経痛②●兆候、●一般症状、 ●随伴症状(坐骨神経痛だけの特有のものでない症状)、●対応、●セルフケア、●生活習慣、●医療機関の実情

持上げ動作●きっかけ、●持ち上げ・持ち運び、●持上げる方法、●無理のある考え方、●考え方、●持上げる仕事、 ●抱っこ腰痛)

力学・体型●力学、●慣性、●偏り、●やせ型の力学的要因、●痩せ型、●肥満・●その他体型

筋肉(総論)●筋肉と腰痛、●深層筋、●筋肉全般(腰痛と関係しないもの)、●筋肉量、●腰部筋群

筋肉(個別筋)●背筋、●下後鋸筋、●多裂筋、●腰方形筋、●腸腰筋、●大腿四頭筋、●ハムストリングス、●中殿筋・臀部筋、●腹筋、●高齢者と腹筋

内科●内科・内臓、●心臓・血管・脈管系、●胃腸、●糖尿病・血糖、●自律神経(交感神経・副交感神経)、●呼吸器系、●風邪・感染症、●遺伝、●その他原因、●原因が分からない

高齢者関連●腰痛の仕組み、●腰痛対策、●筋肉・筋力、●その他、●骨粗しょう症

女性・子供●女性、妊娠、●産後、●子供

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